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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   何が創造されるのか(感)   あよう

「必要」には、英語でニーズとウォントという2つの表現の仕方がある。「ニーズ」は、空間的にいえば、人間が得たもの・経験したことを基準にした必要性である。対して「ウォント」は自分の内部から出てくる欲望や欠乏を内包した「必要」のことなのだ。何かものを創る過程には、この2つの「必要」が生まれないといけないのだ。大抵ニーズから始まるのだが、欠乏しているものをひたすらに求める渇望の念、つまりウォントが、創造において飛躍する原動力となるのだ。
 よく耳にする、「目先の利益にとらわれない。」という言葉がある。僕の最近の目標はもっぱらこれになっている。この、「目先の利益」というのは、過去から現在の状況を分析したときのいわゆる、「ニーズ」である。つまり、僕が目標としているのは、「ニーズ」にとらわれない生き方をしたいということである。
 その方法として第一に、目前にあるニーズを飛び越えるような、大きなウォントを持つということである。やはりウォントが小さいと、ニーズの方に、自分の気持ちが流れてしまう。ニーズは今を自分が生きていく上で最も大切で、具体的なものを表しているからである。これに勝るようなウォントというのは、やはり、自分の持っている夢ということになるだろう。それを持つことによって、自分の創造したものが飛躍し、それによって自分も飛躍できるのではないだろうか。
 さて、自分が飛躍するために、自分で夢を持ってみたものの、果たして周りはそれを認めてくれるのだろうか。皆が認めてくれるというのは考えにくい。なぜなら、周りも、ニーズに流されかけている人ばかりである。そのような人たちが、わざわざ他人の夢を、しかも皆が応援するのは難しいからである。それでも、自分のウォントを貫き通したいというのなら、ほんの少しだけで良いので、理解者を見つけるという方法がある。「周りの目など気にするな」と言ってくれるような理解者を見つけろということである。
 僕は、時たま自分でも驚くくらい、周りの目を気にしない性格である(笑)。そのため、小さいときからウォントを貫き通したと言う体験なら、数多くある。そのため、周りの人たちは、相当ビックリして、困惑していたに違いない。小学校3年生のときに、僕は古墳に興味を持ち、古墳を調べることをウォントしたことがあった。周りのほとんどの人たちは困惑、いわゆる、「引い」たのだが、親と当時の担任の先生だけは違った。理解し、僕の興味を引き延ばそうとしてくれたのである。おかげで、日本史と地理は僕の得意科目になっている。これは、創造とは少し違うが、自分自身の飛躍という意味では同じである。 確かに、今の時点で最も大切なことをしなければ、将来飛躍できないではないかという意見もある。高校生のときに、「私は現在落語をウォントしている」などと言って、全く勉強しなければ、将来、落語を聴く余裕を持った暮らしが出来なくなるおそれもある。そのため、今、周りのいうことに素直に耳を傾けて、ニーズを優先すべきだということだ。 しかし、「夢があるから行動するのではなく、行動するから夢が生まれる」という名言もあるように、ウォントを持って生きていくからこそ、次のウォントが生まれ、それが段々と、具体的なものとして創造されるのでは無かろうか。ニーズばかり優先していると、また新しいニーズが生まれ、そして段々とニーズを片付けるのに精一杯になっていき、をんとを持つ余裕が無くなってくる。周りの目だけを気にして、ニーズを積み重ねて創ったようなもの、それはたいした創造ではない。自分が、自分の求めるウォントに沿ってものを創っていく。その最終形が、真の創造というものだと思う。

   講評   nara

 「目先の利益」が「ニーズ」であるという説明は、わかりやすいなぁ。あよう君が以前、名前の作文を書いてくれたけれど、「大」のイメージとこの説明は重なるところがある。目先の利益にとらわれず、どっしり構えている感じが「大」なのだな、きっと。
 第一方法:大きなウォントを持つという意見はいいね。ニーズの説明で「最も大切で」とあるのは、少し表現を変えようか。「今を生きていく上で」と断りがあっても、「最も大切」とすると「それ以上大きなウォントを持とう」という説明とずれかねない。まとめにも同様の表現があるので、併せてもう一工夫してみて。「目先」を使ってもいいかな。もしくは、「予測できる範囲においての近い未来」とかね。ウォントは、まさに予測できない真の未来に対する熱い思いだからね。第二方法はわかりやすい。どうなるかわからないウォントよりも目先の利益を得る方が確実で賢明だと思っても仕方がない。この「仕方がない」という消極的な思いを前向きにしてくれる・後ろから支えてくれるのが、理解者ということだね。理解という点を環境的にとらえると、日本の社会そのものがウォントを持つことに対しての理解が浅いのではないかな。その絡みもあって、個のレベルでの理解者が生まれにくいのかもしれないよ。
 「私は現在落語をウォント」つい笑ったけれど、ニーズの考え方としては、とてもわかりやすい説明だ。ニーズというのは手段に近いものなのかもね。いろいろな手段は存在するとして、では、何を実現するための手段なのかということが抜けてしまうとどうだろう。手段のための手段になってしまうし、それがいくら積み重なったところで、何も実現しない。すなわち、まとめと同じくたいした創造はそこにないということになるね。ウォントがあればこそ、ニーズにも意味が生まれるということかな。
 

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