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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   障害者への手助け   かせり

 ユージーンでは、街のなかに障害者がいることで、人の流れが変わらない街だった。障害者と自然にむきあい、障害者扱いをしない。障害者が周りに合わすのではなく、周りが障害者に合わせていく、というビジネスライクな対応をその街の人達は自然に行っていたのだ。イギリスの児童文学作家、ローズマリ・サトクリフは、青春時代に健常者に恋をした。しかし、周りは彼女が傷つくことを恐れ、また彼女もその恋を直視せずに終わってしまった。大人になった彼女は、結果は同じだったとしても、自分で苦境に直面したかった、といった。傷ついても、皆「「経験を積み重ねていく権利」があると彼女は重い、それを「傷つけられる権利」と呼んだ。この権利は守っていくべきだと思う。
 私達が、障害者に手を差し伸べることは大切だ。手助けを必要としている人を助けてあげることは大事だ。数ヶ月前、私は学校で目が不自由な人の体験をした。目隠しをつけ、パートナーに手を引っ張ってもらい、校内を散歩した。最初のほうは笑いながら楽しんでいたが、だんだん、笑えないほど怖くなってきたのを覚えている。パートナーが、少しでも手を離したら、いくら歩き慣れている場所でも立ち止まってしまった。目の不自由の人が手助けなしで歩いたら、沢山の危険があるので、やはり手助けをすることは必要だ。
 しかし、障害者の人達も自らやり遂げることも大切だ。先日本で、一人娘の母親が書いた話を読んだ。彼女は、自分の娘が人生の苦境に直面し、苦しんでいるのを見ると、世の中の悪いもの全てから娘を守ってやりたくなるが、娘を立派な大人にするには、このような苦難も必要なのだ、と述べていた。有名な昔話、「うさぎとカメ」も、カメの苦労があったからこそ、報われたのだ。もし、カメが途中に人の手を借りて、ゴールにいき、うさぎに勝ったとしてもそれは真の勝利ではない。自分の力で成し遂げたからこそ、カメはうさぎに勝つことができたのだ。
 確かに、障害者に手を差し伸べることも、彼らが自らやり遂げることも大切だ。しかし、一番大切なのは、「何事もしない者だけが失敗もしない」という名言のように、失敗を恐れずに、障害者、健全者を問わず、誰もが何事にもチャレンジすることだ。チャレンジした上で、人の助けが必要と思えば、手助けしてもらうのが私は一番良いと思う。

   講評   tama

 日本ではまだ障害者に対する偏見や、対応の遅れがあると言われます。そのような人を目の前にすると、どう接してよいのかわからないというのが、一番の原因のようですが、障害があろうとなかろうと、お互いがひとりの人間として向き合っていくこと、失敗を恐れずチャレンジしていくことが、本当に大切なことだ考えることができました。

【体験実例】 歩き慣れている校内を、目隠しをして歩くという体験により、視覚障害者の気持ちや不自由さが実感できたことと思います。不安や危険を少しでも解消するため、手助けをすることはよいことですね。
 しかし全面的な手助けは、達成感や、自立した一人の人間でありたいという尊厳も奪うことになりかねません。カメも、自力でゴールにたどりついたからこそ、真の勝利を手にすることができたという「昔話実例」も効果的でした。いつもながら説得力のある意見が述べられるのは、日常生活での豊富な体験によるものだと思います。

※ 第一段落 重い→ 思い、 第三段落 一人娘の(母親)→ 一人娘を持つ、  第四段落 健全者→ 健常者



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