対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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成功の秘訣 abc
消化されないセルロースをあれだけ食べれば、立派な糞を出していかなければならないのだろう。葉を食べるということは、ずいぶん効率の悪いことなのである。それでは昆虫は幼虫の時から羽をもち、蜜だけ吸って生きていけばいいじゃないか、という議論も出てくるが、現実はそう甘くない。葉っぱなら時節を問わず、至るところに大量にあるが、花の蜜はそうはいかない。昆虫の成功の秘訣は、大量にありながらほかの動物たちがあまり手をつけなかった葉っぱという食物に目をつけたところにある。イモムシのような動きののろいものが、草を食べつくしながら、新しい草を求めてはいまわるのは、現実的でない。昆虫の小さいサイズは、一本の草で満足できる程度の、手頃なサイズだと思われる。
僕が、この話を読んで一番印象に残ったことは、昆虫は葉を食べるようになったことで成功したということだ。
僕は、三年生の時に、学校でかいこの幼虫の観察をしたことがある。えさは桑の葉で、食べるとすぐカイコは得体の知れない丸みをおびた茶色の物を出していた。初め、ふんだと知らなかった友達が食べてみて、おなかをこわしていた。僕は、そのことをふまえて、今までなぜカイコのような昆虫は、おなかをこわしそうな葉をたくさん食べ、又、食べた物も糞として沢山出すような行為を繰り返しているのだろう、疲れるだけではないかと思っていた。
しかし、僕は昆虫が葉を食べるということは、誰も食べない葉を食料源とすることで厳しい生存競争を生き抜く知恵だったのだということが分かった。人と食料がかち合えば、
殺されてしまうが、かち合わない物でそばに自然に生えてくる、大量にあるものであればいくらでも生き延びることができる。まさしく大成功といえるだろう。すべてに意味のある自然の生態系の奥深さが分かった。
講評 mako
三年生でカイコの観察をしたとき、すでにどうしておいしくなさそうな葉っぱばかりをいっぱい食べて、ふんを山ほどするという疲れるだけの行動をしているのだろうと思っていたところがすごいなあ。
わたしもアゲハチョウの幼虫を何度もつかまえてきてチョウになるまで見ていたけれど、ただただおもしろがるばかりで「どうして?」という疑問を持つところまで頭がはたらいていなかったです。これほどフンをするのだから、いっぱい食べるのはあたりまえぐらいにしか思っていなかった気がします。
世界一クサイ花を知っていますか? この花は甘くていい香りの花が他にもたくさんあって虫を集める競争が厳しいのでクサイにおいに集まってくる虫を呼んでいるそうです。競争率の高いところを避けるなんてなかなか賢いですね。みんな、こうして競争しながら共生しているんだね。
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