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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   TEST!   ハーマイオニー

 さらさら、かりかりと鉛筆を走らせる音に、ときどき消しゴムで紙をこする音が混ざる。気のせいか、声にならない声、息を呑むような音も聞こえる。ため息をつきそうなのを我慢しているのだろうか。まだ私がそこまで進んでいない問題の中に、とてつもない難問が出されているのだろうか。——テストはいつも緊張する。私の学校では、定期考査のほかに各教科の小テストも頻繁にある。今日も漢字テストと中部地方の地形のテストがあった。全く嫌になる。だがしかし、私はテストはあった方が良いものだと思う。
 その理由は第一に、テストによって、自分の理解度が明確になるからだ。今日のテストも、地理はおそらく満点だ(と思う)が、漢字は結構間違えてしまった。昨日、夜10時ぐらいまで頑張って朝も結構覚えていたのだが、テストの前の休み時間に最後のページを確認するのを忘れてしまった。でも、そのときは「朝覚えていたから大丈夫だろう」と思っていた。とんでもない思い違いだった(笑)。やはり今回の漢字の範囲でもあったが直前まで「粘る」ということは、大切なことだと思った。前期末考査で、自分の成績表が配られたときも、順位や点数などを気にしてしまった。どこが足りないかが分かる成績表なのだから、足りないところをもっと集中的に勉強しようと思った。
 第二に、テストという目標があることによって、集中して努力するからだ。だからといって、テストの前日だけ勉強すればいいのではない。少なくとも、「テスト」という目標があることで、そのための計画を立てながら勉強していくことができる。テストがあることで、少しは集中して勉強するので、私にとっては好都合だ。
 あるデータによると、勉強を家で全く、またはほとんどしない人は4割を超え、勉強が嫌いか、どちらかと言えば嫌いな人は7割を超えている。私も、勉強のおもしろさを感じることはあるが、やはり、テストがなければ積極的に勉強することはあまりないかもしれない。そういう意味でもテストは必要だ。
 確かに、テストのためだけに勉強するのは本末転倒だ。点数ばかりに一喜一憂するのもよくない。しかし「悪いことそのものがあるのではない。時と場合によって悪いことがあるのである。」という名言があるように、テストのよい面を生かし、目標を持って勉強していくことが大事である。私も、次の考査まで「まだテストまで二週間あるし」などと油断はせずに、計画的に勉強していきたい。

   講評   nara

 書き出しのテストの場面の描写は、読んでいると教室内の息遣いがこちらにも伝わってくるような、細やかで臨場感のある説明になっているね。読み手が学生であれば、共感するだろうし、既にテストから離れてしまった大人であれば、遠い学生時代を思い出すことだろう。この段落は、本をたくさん読んでいるからこそ書けるものだと思ったよ。この段落があることで、次段落以降のかっちりとした意見がより引き立ってくる。
 電話でも話したように、自宅学習のように個人でもドリル演習をすれば理解度はある程度測ることができる。テストでないとわからないこと・得られないことを探していくことで、「テストがいい理由」がより明確になってくるね。テストの緊張感はどこから生まれるのか。学生が一斉にテストに臨み、その出来不出来が相対化されて、順位となってくるからだろうね。これは一人で進める自宅学習にはないものだ。この緊張感や順位付けの方が強調されすぎると、テストのいい面が隠れてしまう。よく「手段が目的になる」という言い方をするけれど、テストは、何をどうするための手段なのだろうか。そこが揺らいでしまうと、テストでいい点数・いい順位を取るということが目的になってしまうのだね。
 名言を使ったまとめはきれいに決まった。この名言のように、あるときにはいいと思われることも、状況が異なれば悪いということになる。今期取り組む「是非の主題」はまさに名言どおり。つまり「是」でも正解となるだろうし、「非」でも正解。どれほどの根拠を持って論を展開するか、ということが今期の大きな課題ということになると思うよ。
 データを引用するときには、できるだけ出所を明らかにするといいよ。「○○による◇◇という調査データによると、……」と説明しよう。これは、他の人の著作を引用するときも同じだね。

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