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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   除け者の“灰色の時間”   みるく

五年生。この上級生という階級から野外遊びは大きく切り離されている。
「ねえ、鬼ごっこしようよ」
この言葉は、中学年・低学年の代名詞でもあり、同時に挨拶のような役割を果たしていた。
今はどうだろうか。五年生に進級すると、委員会活動やクラブ、係活動、吹奏楽団など様々な仕事が混み合い、溢れ、野外遊びが出来る人が羨ましい程になるのが現状である。
でも、私はごみごみ、せかせかとした日常の学校生活の中で、合間を縫うように暇な時間を見つけることができる。私は、それを”灰色の時間“と名付けている。なぜか。それは考えてみてほしい。
 “灰色の時間”=極楽の一時。歌を口遊みたい様な、思わずスキップをしたいような、くすぐったいような、そんな時間。けれど、大抵は好きなことをして過ごす。
 一つ目の灰色。薄いグレーみたいな色。友達と大富豪をして遊ぶこと。まだまだ、上達はしていないけれど、友達とワイワイしながらも、裏で相手の策略を見破るところに一種のスリルと満足感を感じる。アガサクリスティーの生み出した、名探偵のように、頭の灰色細胞が少しずつ動いていくのが感じられる。
 二つ目の灰色。鼠色の灰色。本を読むこと。今、好きな本は“タラ・ダンカン”。皇帝魔術師のタラが、友情を大切にしながら、別世界に襲いかかる様々な難問題を解決していく話だ。図書館に一歩踏み入れれば、“無料フリーパス・ブックワールド行き”の切符はもう手に入れた同然なのだ。それにブックワールドの番人が、なかなか私を元の世界に返してくれないので、「閉館です」という声が聞こえたら、泣く泣く本を本棚に返すことになる。でも、絶対借りはしない。だって貴重な時間だもの、存分に楽しまなくちゃね。灰色細胞は少しずつ活性化する。
 三つ目の灰色。塗りつぶしたような灰色。メダカの世話をすること。理科の先生が丁寧に教えてくださるし、なにより新体験ができる。この間は、ミジンコやゾウリムシなどのプランクトンの様子を、顕微鏡で見てみたし、実際に、メダカの餌となるプランクトンを育てたことがある。水180ミリリットルに、塩を18グラムの割合でいれ、スプーンでかき混ぜる。それをペットボトルに詰め、その中にプランクトンの素を入れる。後はエアストーンをペットボトルに放りこみ、放置するだけでいい。ああ、なんとやりがいのない、しかし心をうきうきさせる魅力をもつものなのだろうか。
 ちなみに、父の“灰色の時間”を聞いてみた。
「ちゃんばらだよ。あれほど面白い遊びはなかったね」
と即答が返ってきた。この速さは光の速さを上回るものだった。それほど記憶に焼き付いていたのだろう。私は、女性だからちゃんばらがどんなものか知らなかったが、きっと男子にとって、とっておきの遊びだったのだなと推測した。
 私の灰色の時間の、屋内遊びのほうが多い。なぜだろうか。低学年のころは、毎日のように泥警をしていたのに・・・。図書館なんかあまり好きじゃなかったのに・・・。きっと屋内で遊ぶ魅力を次第に身につけていったのかもしれない。
五年生になったら、遊びなど除け者にされそうだ。しかし遊びだから学べる、大切なものもあるから、灰色の時間を大事にしないといけないことが分かった。




   講評   inoko

 みるくさん、こんにちは。
大きくなるにつれ、学校の休み時間の過ごし方が変化していきます。誰に聞いても、5年生ぐらいになると、アウトドア派からインドア派へと変貌を遂げるのです。みるくさんが書いている、「屋内で遊ぶ魅力を知る」のが、このぐらいのお年頃なのでしょうね。

☆ 題名を読んで、さて「灰色の時間」とは何だろうかと思いました。灰色というと、少し暗く後ろ向きな印象もありますが、みるくさんが書いている灰色の時間は、内容的には明るく充実した時間なのですね。ばら色か、太陽のようなオレンジ色かな? 
項目が少し変わりましたが、まったく問題なし。【前の話・聞いた話】は、お父さんの話を書くことができましたね。それを聞いて思ったことも、きっちり書けています。


 

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