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　　　感情の長所　　　イッタ

　謝ることは時として大変言いにくい言葉である。しかしそのまま謝らないでいると相手に思いもよらない迷惑をかけることがある。だから謝るときは心を込めて早めに言った方が相手に通じる。
　僕はテストでとても悪い点数をとったことがある。帰って来ると母は思っていた通り
「テストはどうだったの。」
と、聞いてきた。いつもはふつうに聞こえるこの言葉が今日はとてもこわく聞こえた。僕は黙ってしまった。そうすると母が何か言おうとしたので
「だって。」
と言うと
「だってじゃないでしょ。」
とするどい目と声。僕の心臓がドキッと悲鳴をあげた。僕は悪い点をときどき取ってくる。そのたびに今度はすぐに謝ろうと思うのに、いつも言い訳が先に口から出てしまう。けれそれをちゃんと意識して
「ごめんなさい。」
や
「すみませんでした。」
と言えばちょっとは怒られても言い訳を先に言ったときよりは怒られ方はましだと思う。ぼくは次、もしも悪い点を取るようなことがあったら、ちゃんとまず最初に認めようと思った。
　僕は野球を習っている。ある日午前から練習なのに午後からと間違えてしまったことがある。野球部から電話がかかってきたときは心臓が止まるかというぐらいびっくりした。野球部の監督やコーチは怖い人ばかりなのでどうしようと、思った。校門の前まで来ると怖い人の中でも特に怖い総監督が立っていた。ドキドキしたけれど
「遅れてすみません。」
と謝ると
「おう、ねぼうか？　中に入れ。」
とまるで遅れていないような声で言ってくれた。どんなに怖い人でも素直に謝れば多少のことは許してくれることが分かった。
　人間はちょっと許せないことでも本当に申し訳ないと心から
「すみませんでした。」
と謝ると許してしまうことが分かった。他の動物には無い感情の長所は本気で謝られると許してしまうところだと思った。

　　　講評　　　koni


　ていねいに清書できましたね。読解問題も頑張りました。
★10月30日（木）は、5週目のためお休みです。