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　　　原理と原則　　　いすも

　象の鼻は何故長いのか。きりんの首はどうして長いのか。私はこういう大人でも答えるのが難しい質問を両親に良くぶつけ、困らせたらしい。象の鼻が長い理由や、きりんの首が長い理由は私も未だにわからない。わからないが、こうして小さい頃から興味深く物事の原理や原則のことを聞いた私を嬉しく思う。人間は表面的な現象にとらわれてはいけない。表面的な現象で物事を決め付けてはいけない。人間はその背後にある原理や原則を考えるような生き方をするべきだ。
　そのような生き方ができる方法その第一は、表面だけを見て物事を決め付けるのではなく、じっくりと考えて見ることである。人間は人の顔や肌の色、髪の毛の色などで物事判断してしまうことが多い。つまり、表面的な現象で物事を決め付けてしまうのだ。だが、そうであってはいけない。いくら顔が可愛くなくても、かっこよくなくても、温かい心の持ち主である人はたくさんいる。私にもこういう経験があった。私はピアノを習っていて、去年の夏、ピアノの先生を変えたばかりである。この新しいピアノの先生は男性で、名前はレスリー先生。この先生は評判が良かったので前の先生から変えたため、実際に会うまで見たこともなかったし、どんな人なのかも知らなかった。そしてレスリー先生に初めて会った日。彼はとても細く、顔がとんがっており、とても怖く見え、私は少しおびえた。顔を見た途端、私はこの先生は怖い先生だな、音を間違えただけで怒鳴る先生だったらどうしよう、と思った。だが、実際に彼は全然怖くなかった。とても人柄が良く、ジェントルマンで、とても丁寧にやさしく私にピアノを教えてくれた。初めて顔を見ただけで瞬間的にレスリー先生の人柄を決め付けてしまった私はすまない気持ちでいっぱいだ。だから人間は表面的な現象にとらわれないで、内面的な現象を受け取るべきだ。
　方法その第二は、疑問に思ったことをそのままにしないで、実際に分析することが大切だと思う。たとえば、象の鼻は何故長いの、という簡単そうで難しいこの疑問。これは誰もが人生の中で一回は不思議に思う疑問だろう。だが、不思議に思うだけで実際に真剣にこの疑問に目をむけ、調べ答えを出した人は少ないのではないかと私は思う。象の鼻が何故長いのかは確かに気になるが、別に調べて分析するほどまで気にならないからである。実際に調べて分析すると時間もかかるし、面倒くさい。だが、それだからだめなのだ。疑問に思ったことは心の表面で思うのではなく、心奥底から原理原則を考えなければいけない。伝記人物として知られているニュートンは重力の研究をした研究家だ。彼は『何故りんごは木から落ちるのだろう』というささやかな疑問を調べに調べた上、伝記人物として残るほどの偉大な発明を発見できた。小さな表面的な疑問も、原理や原則を考えて分析すると、大きな物事に変わるかもしれないのだ。
　確かに、物事の表面的な姿を良く見ることは大切だ。表面的な姿を見ることでも色々なことが学べるし、原理や原則がないほうが物事の本当の姿を明らかに見ることができる場合もある。だが、『大切なのは、健康らしい外見ではなく、健康自身である』という名言もあるように、人間は表面的な姿から物事の良し悪しを決めるのではなく、内面的な現象で結果を決めるべきだ。

　　　講評　　　ogi

　いすもさん、こんにちは。

【第一段落】　小さいときに初めて物事の原理というものを意識したエピソードが、上手に書かれています。この作文の導入としてはぴったりですね。
【第二段落】　良い方法が見つかりました。一見怖そうなピアノの先生の体験実例も、提示した方法にぴったりですね。「とても細く、とんがった顔」というレスリー先生の描写に笑ってしまいましたよ（笑）
【第三段落】　伝記実例を入れるときは、「伝記人物である○○は・・・」と書かなくても大丈夫です。その人物の名前をいきなり書いてしまいましょう。そして最後に（伝記実例）と入れておけば項目は◎になるし、その方が文章も自然ですよ。
【第四段落】　名言も入って、きちんとまとめることができましたね。