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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   学問の意義   くるりんぱ

 「先生、この子の偏差値で入れる大学のなかで一番偏差値の高い所はどこですか?」高校の教員である私が3年生の担任になったら、年に何度かは聞く保護者からの質問である。ゆとり教育の路線でゆっくりと将来を考えましょう、などと言っている暇はないと言わんばかりで、親たちがもつ危機感は想像以上に大きいのかもしれない。そのため、学部や学科は問わないからとにかく偏差値の高い大学に入れたい、と親は悲痛な叫び声を上げていると言っても過言ではない。そして、子どもたちはどうかというと、親に素直に従っているのである。親と一緒でない別の機会を見計らって、子どもに直接、あなたは大学に何を勉強しに行くの、あなたはそれで本当にいいの、と問いかけても、答えの多くは何をしたいかがわからないから、とりあえず偏差値の高い大学へ行こうかな、である。多くの人たちが大学に進むようになったため、その意味さえ考えずになんとなく進学しようとしているのである。このままでは、何の目的もなく、ただ偏差値の高い大学に入ろうとし、学問の意義さえもわからなくなってしまうことが問題である。 
その原因として、学歴によっては、就職さえも有利に運ぶことがあげられる。「はい、これ見て。」と卒業生が突然目の前に差し出した紙は、就職の内定通知書であった。通知書を大事そうに抱えながら、彼女は内定をもらうまでにどれだけ大変であったかをとうとうと話し始めた。この内定をもらうまでに、実は10社以上面接を受け、本当に大変な就職活動であったそうだ。しかし彼女によると、一方では、いわゆる難関大学に通っている友達は複数の内定をもらうことができ、どの企業に行くかを決めかねているという。難関大学かそうでない大学かによって、会社の面接が受けられるかどうかさえも決まってくるのだそうだ。だから、学ぶ内容でなく、大学の偏差値がどれだけ高いかどうかが気になるのは自然の流れかもしれない。
 この問題を解決する対策として、大学を入りやすく、出にくくするという欧米型にすることが挙げられる。どこの大学に入ることができた、でなく大学で何を勉強したか、社会にでてから何をしたいかを重要視するのである。ズミの苗の長文12.4週によると、一部の人たちは、自分の意見を持ち、何をしたいのかはっきりしなければ、これからの時代はマズイし、アブナイと実際に思い始めたそうである。これこそがゆとり教育の目指していたところである。ゆとり教育とは決して勉強する量を減らして時間的なゆとりをつくるのではなく、じっくりと考えることを通して生きる力をたくわえていこうとする教育である。そのためには、どこの大学に入れたということよりも、大学でじっくりと勉強することを通し、社会に出てこれをしようと目標を見つけることが重要である。
 確かに、何も考えずにいい成績さえ修めれば、立派な会社に就職もでき、安定した生活が送れるようになるので楽かもしれない。しかし、もともと大学に行くのは勉強するためであって、いい会社に就職をするためではない。学問を通して、学ぶ喜びを知り、それが結果として人生を豊かにしていくのである。すなわち、「学問は自分のためだけにするもので、それ以外の目的はない」のである。だから、ただやみくもに偏差値の高い大学に入ろうとし、学問の意義さえもわからなくなってしまうことは問題である。

   講評   hota

 次回は休み宿題です、よろしくお願いいたします。月曜日は、例の「ハッピーマンデー」とかで休みが多くて、困りますね。
 寒くなってきました。こちらでは、もうストーブも出しました。今朝は、屋根に霜がおりましたよ。ご自愛下さい。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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