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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   もののあはれ   メロディ・ブルー

季節感のある暮らしをすると云うことについて考える機会と云うのは、最近、特に私の様な現代人の若者の生活に於いてはほぼ失われて居ると言って良いだろう。然しながら、私は季節感のある暮らしを積極的に行って生き、感情豊かな人間になっていくべきであると思う。第一の方法として、季節の変化を楽しむ余裕を持つべきだろう。夏に、私は打ち水をした経験がある。確か小学校五、六年生の頃だった様な気がする。家に空気中の水分を吸収する機械…何という名前だったか今思い出せないが、其れが夏休み前に家に来て、湿気を兎に角排除しようと祖母が頑張って居た。使用し終わったあとの水(一リットル〜二リットル程度)は最初の内は捨てて居たが、結構其の儘流すには勿体無い量だった上、丁度環境問題について学校の授業でやっていたので、夕方になると其れを集めて打ち水をしようということになった。昼に比べれば少し気温が下がった頃。熱くなった地面や草を冷やして、空気も少しひんやり。そんな気がして少し嬉しくなった夏だった。受験勉強に打ち込む夏。その合間にふと、そんなことをやって気分転換にして居たことを思い出すと、今の自分の時間の余裕の無さに少し驚く。未だ短い人生ではあるが、15年生きてきた中で一番楽しかったのは此の頃だったと思う。矢張り、季節の変化等にも気を配られる余裕を持てる様になれば、自然と人間は生きる上での余裕も持てるのだろう。
第二に、そう過ごすのは心の豊かさを養う為なのだと考えるべきだ。たとえば、源氏物語を読んだことのある人は少なく無いだろう。主人公の源氏や、源氏を取り巻く女性達は季節の折々に様々な和歌を自分の気持ちを織り交ぜて巧みに詠む。月を見て何かを思い出してはふと涙ぐんだり、露を見ては自分の命の終わりを感じたり。紫の上は現に、「おくと見るほどぞはかなきともすれば風に乱るる萩の上露」と源氏に向けて辞世の句を詠んでいる。そんなことをいちいち感じて雅に涙ぐめるのは、正しく季節と共に人生を歩んできたからなのであろう。自分も時々何かを見てこう思う、と云う時はあるが、この様にホイホイと詩が浮かぶ訳では全く無いので矢張り私は現代人なのだなと思う。
だからと云ってクーラー無し暖房器具無しで明日から生きろという訳では無い。脱皮できない蛇は滅びると云う言葉通り、そんなことをしても自分が不利益を被るだけである。そうではなく、私は先に述べた様に文明の機器を使って打ち水をして季節感を感じたのだから、現代の暮らしをしながらも十分季節感を感じることは出来ると思う。私は其の様に、何かの折に少しだけでも季節の変化を感じ取り、感情豊かな人間になっていきたい。

   講評   koni


【第一段落】 生き方の主題を書くことができました。

【第二段落】 「第一のの方法として」の前に「そのためには、」を足しておくと、流れがよくなるよ。1つ目の方法を挙げて、体験実例を書くことができました。忙しい日常の中で、季節の変わり目を楽しむ余裕を持つことは、なかなかできませんね。「あぁ。気付けばもう衣替え。」というような時間の流れの中で、景色からでも食事からでも服装からでも季節感を感じ、浸る時間があれば心豊かな時間といえるのかもしれませんね。

【第三段落】 2つ目の方法を挙げて、実例を書くことができましたね。詩の引用もできました。とてもよい説明です。

【第四段落】 反対意見の理解をして、生き方の主題でまとめることができました。とてもよくまとめています。

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