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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   自然との共生   いろは

 私たちは長い間、木綿と木の中で、自然に囲まれて暮らしてきた。だが、明治以降それを捨てて、新しいものへ、新しいものへと人工材料を追いかけてきた。木は同じ種類のものでも、産地により立地によって、材質が少しずつ違う。それは、コンピューターでは解明することが出来ない。
 周りを見渡すと、色んなものがある。天井には蛍光灯、暖炉には炎。壁にはエアコン、手にはうちわ。それぞれが、どう対照的であるか、分かるだろうか。片方は人工的に作られたもの。片方は自然のままのもの。一見、人工的に作られたものの方が便利に思える。確かに、周りにはこっちの方が多く存在している。けれど、よく考えてみると、それが決して良いわけじゃない。光一つ取るのしても、蛍光灯の光と炎の光。違いははっきりしている。蛍光灯の光は眩しくて、気分が悪くなりそうだ。それに比べて、炎は暖かく、目にも優しい。風を取るにしても、夏の暑い日、冷房をつけたくなるのは分かる。けれど、環境には悪いし、体にも悪い。その上お金がかかる。その分うちわは、環境に良いし、自分で調節できるから、気持ちいい。もちろんお金はかからない。そんな事ぐらい、きっと気付いてるはず。なら、人はなぜ、自然のものを使わずに、どんどん新しいものを生み出していくのだろうか。それは、人のいらない欲望と労働力のなさを物語っている。自力でするのは面倒だから、どうしても進んだ化学に頼ってしまうのだ。それではまるで、あまのじゃくだ。人はいつのまに、そうなってしまったのだろうか。
 父に、「使えば使うほど良くなる物とは何か」という事について聞いてみた。すると、
「頭」
と一言つぶやいた。そう、頭なのだ。どんなに頭の良い人であっても、使わなければ、良くはならないし、むしろ悪くなるだろう。そのためにも、学校というものがある。この頭は、人工的に作り出すことは不可能である。頭は色々なこと学ぶ。それは勉強であったり、人間関係であったり、恋心であったりもする。だが、コンピューターはそうはいかない。どんなに使っても学ばないし、同じ間違いを繰り返す。心だってない。どんなに進んだ技術を持ってしても、今まで積み上げてきた人間の歴史を真似することはできない。化学が自然に勝つことは無理なのだ。
 人間にとって、自然とは、なくてはならないものだ。この機械音が飛び交う世の中で、自然が減りつつある。そんなに世の中が便利じゃないといけないのか?少しくらい、苦しい思いや大変な思いをしても良いだろう。それは、生きている証拠なのだから。郷に入っては郷に従えということわざがあるように、今、私たちが生きている場所は、化学世界じゃない。きちんと、暮らしができるように工夫された、歴史ある世界なのだ。それは、自然の力だ。それをわざわざ壊す必要はない。自然と共に生きていく。それが、今の人間の目標だ。そして、もっとたくさんの人に、自然の大切さを知ってほしい。好きになってほしい。いつか、みんなが笑顔になる世界がくることを、願っている。

   講評   sumomo

 今週の長文を読むとあらためて木の力を感じさせられますね。大きな自然の力はわたしたち人間の浅はかな知恵の及ばないところでゆっくりと動いているのだと思い知らされます。切ってから何百年も少しずつ強くなっていくなんて考えられませんが、それが木の力なのですね。 片手に自然のものもう一方の手には人工的なものを私たちがもっているという象徴的な表現がとてもおもしろいと思います。ついついエアコンのリモコンを手に取ってしまう毎日をちょっと考えてしまいますね。自分たちの本当に身近なところでの様子をじっくり観察してまとめられました。 お父さんに聞いたこともよく書けています。頭をどんどん使ってかしこくなって、自然との共生の道を探りたいですね。
光一つ取るのしても→光ひとつとるにしても
進んだ化学→進んだ科学
化学世界→科学世界

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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