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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   詩的な言葉の良さ   ショウ

日常あまり意識してないことばそのものの存在ということを、否応なしに意識させられてしまう。詩のことばは日常のことばと同じではない。つまりことばが不透明なものになってしまい、私たちがことばというものを改めて認識することになるのだ。 たとえば谷川俊太郎・作の「かっぱ」という詩の中の、「かっぱ」と「かっぱらった」ということばは、日常のことばとして考えている場合は、私たちはこの両方がよく似た形をしたことばであるという意識を持つようなことはないだろう。日常のことばだと、私たちがまず何かを経験して、それをことばで表すということをする。このようなことばの働きは、日常生活の段階では、普通あまりないことだろう。 そういうことばの詩的な働きというものが日常のことばにおいてよりも重要な役割を果たすという意味で、子どものことばと詩のことばとは似ているということができる。僕は、詩的な言葉を大切にするべきだと思う。
 その理由として第一に、実用的な言葉ばかりをならべられてもつまらないからだ。学校の授業でも同じことが言える。ただ事実だけを伝える授業はおもしろくない。僕の学校のF先生は、国語の先生だが、授業をしていても全く飽きない。もちろん、雑談などをするわけではない。しかし、教科書の文章を読み、それを基に自分には似たような経験があったか、また、その文章についてどう思うか、など、一つの話を学習する中で、いろいろなことをする。だが、決してそれだけをやる、ということはない。僕は毎回国語の授業を非常に楽しみにしている。
 また、第二の理由として、詩的な言葉は、言いたいことを印象強く伝えることができるからだ。例えば、今回アメリカの大統領になったオバマ氏は、演説で次のようなことを言った。
「Yes we can!(我々はできる)」
この一言が大きな要因となり、アメリカ国民の中で、黒人は十二パーセントしかいないにもかかわらず、アメリカ国民の絶大な支持を得て、当選した。とてもすごいことだと思う。
 確かに、事実をありのままに正確に伝える言葉も必要だ。しかし、詩的な言葉の良さも理解するべきだ。「人は食べるために生きるのではなく、生きるために食べるのである。」という名言があるように、言葉は、事実だけを伝達するためのものではなく、その存在自体に大きな意味があるのだと僕は思う。

   講評   hamati

●構成:複数の理由:自分の考えがしっかり表れた理由を二つ書くことができましたね。一つ目の理由のあとには、自分の身近な体験実例を、二つ目の理由のあとには、歴史的な大統領選挙について書いたのも、面白い構成でとてもよいです。
●題材:データ実例・長文実例:歴史的な大統領選挙の、キャッチフレーズについて書くことができました。アメリカの人口に占める黒人の割合を具体的な数字を入れて書くことができたのも、すばらしいです。「Yes we can!」という言葉が、どのように詩的な言葉として伝わっているのか、考えて書くこともできそうですね。
●表現:名言の引用:「人は食べるために生きるのではなく、生きるために食べるのである」という名言を引用しました。ただ実用的な用途みのに意味があるのではない、という今回の作文の内容によく合ったものを引用できましたね。すばらしいですよ。
●主題:是非の主題・反対意見への理解:反対意見への理解を示しながら、自分の主張をしっかり書くことができました。「言葉は、事実だけを伝達するためのものではなく、その存在自体に大きな意味があるのだと僕は思う」という主張は、「詩的な言葉を大切にするべき」ということからさらに発展させていて、すばらしいですよ。
●字数1000字もクリアして、すばらしい意見文になりました。要約の部分で、少し「ことば」というキーワードが多いので、場合によっては指示語にするとよいですね。内容に大統領選挙を取り入れているところは、今の社会事情をよく理解していることがうかがえます。たいへんよくがんばりました。

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