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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   人生と運命   くろーばー

 人間の子供にとっての犬や猫と言った小動物たちは、母親の次にくる愛情の学校なのではないか。私が飼っていたチャボが一晩にして命を奪われた時、自分が始めて『死』というものに触れたと感じた。生命とは、一瞬にして消えてしまうものであり、それが消滅すると共に自分の手元に残ったもの、それこそ『死』以外の何ものでもない。人生は私たちに、ついさっきまで快く優しい眼差しをおくっていたのに、油断の時を狙い澄ませたかのように全く別の相貌をあらわすのだ。あの日から何十年かの後、ブリュッセルの美術館で、この時私が感じたものをはっきりと思い出させる一枚の絵に出会った。私は、自分の運命を前向きに捉えて生きていきたい。
 そのための方法として第一に、未来の不安にばかり囚われないようにすることだ。誰でも、自分の先々のことが心配になり、これからどうなっていくのか、何を目的に生活すればよいのか、といった様々な不安に縛られる事はあるだろう。自分自身が想像している未来と、現実でありこれから受け入れなくてはならない未来の姿が異なる可能性は大いにある。だが、行く末を案じるばかりでは現在の自分が身動き取れなくなってしまう。そもそも、人は悲観的に物事を考えれば考えるほど、その深い底なし沼にはまっていく傾向があるように思える。『大丈夫!』といつでも強気に、そして前向きに過ごすことで、暗い気持ちや不安から脱出することが出来、さらには悪い想像から自分を断ち切ることも出来るだろう。人生はいつでも私たちに背中を向けているわけではない。物事には必ず裏表があるように、幸せ、平穏といった優しさをみせるのと同じく苦しみや残酷さをみせているだけなのだ。未来に不安を抱くのではなく、むしろ『希望』をもって過ごすことが必要である。
 第二の方法として、学校教育の現場で世の中には不幸な運命があることを学べるようにするべきだ。子供の頃は感受性が豊かで、知識を半紙のように吸い取るだけの豊かな学力がある。そのころに現実社会には不幸も存在しうることを伝えれば、実際子供達が大人になり、悲境に陥った時でも自分の運命を謙虚に受け止め、そこから新しい道を切り開くことを考えられるだろう。ヘレンケラーという人物は、幼い頃に視覚・聴覚を失っていたにも拘らず、並々ならぬ努力と周囲の支えによって自分の運命を受け止め、決して諦めることなく生きる努力をした。(伝記実例)こういった運命に立ち向かった偉人について学校で学んでいれば、自分が窮境にたたされてもその知識が心の支えになるだろう。
 確かに、人生で不幸な運命を味わうことも、時に運命が自分に刃を向けることもある。それが、世の中の弱い人々への共感を生むこともある。だがしかし、『運命は我らを幸福にも不幸にもしない。 ただその種子を我らに提供するだけである』という名言があるように、最終的には自分自身で切り開いてゆくものとして受け止めるべきなのだ。そのためにも、毎日を精一杯生きることが大切なのだ。私は、自分の運命を楽観的に捉え、これからの人生を(も?)前向きに生きたいと思う。

   講評   kira

 くろーばーさん、こんにちは。温かい愛情につつまれていつまでも幸せに暮らしていたいものですが、人生には必ず逆境というものもあり、そのときにどう行動できるかがで真価が問われます。生きものの死にふれることは、そういった心の訓練になるようです。
 未来の不安にとらわれないことでは、難しい心の問題にきりこんでいきました。なにごとも受け止め方次第ですね。電話でもふれた中国の故事に「杞憂」というものがあります。ふつうは「取り越し苦労」の意味で使われて、「杞憂に終わる」のような用例があります。
《 昔、杞の国のある男が、天が崩れ落ちてくるのではないかと心配し、食事ものどを通らず、夜も眠れずにいた。それを心配した友人が、『天は気が固まってできているので、絶対に崩れることはない。』といって安心させようとした。しかし男は、『それなら月や星が落ちてきたらどうなるのだろうか』とまた心配するため、再び友人は『月や星も気が固まっているだけなので、落ちてきても怪我一つしない』と説明し、ようやく杞の国の男を安心させた。》
心配や不安ばかりでは何も解決しませんね。
 不幸な運命にたちむかう教育では、ヘレンケラーの生き方をとりあげました。逆境に負けないでむしろ普通の人よりはるかに力強く生きる人からは、大きなメッセージを受け取ることができます。
 モンテーニュの名言は、今回のテーマにぴったり重なりますね。何事も前向きにいきたいですね。


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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