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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   特許という扉   みかん

 特許制度によって、発明者には独占権が与えられ、それには3つの効用が期待できる。一つは、発明に要したコストが回収され、さらに利益を生み出せることだ。二つ目は、様々な方向の研究に進むことが可能となること、そして三つ目は、発明行為が促進されることだ。欧米では、早くも十八世紀には産業革命期を迎えようとしていた。しかし、欧米が鉄や蒸気機関、電信機といった進んだ発明と特許の関係を論じていたとき、日本では塗り物、お茶など、日常生活の小物の改良の技法を問題にしていた。日本がようやく特許制度の存在を知ったのは、福沢諭吉の「西洋事情」によってだった。日本は未だに、変化や革新というよりも、安定思考という社会風土があるが、それは問題と捉えるべきだ。
 その原因として考えられるのは、まず第一に、日本の社会の根底にある「和」の精神である。日本の社会には、未だに「横並び意識」がある。学校で、何か決め事をするときも、周りの様子を見て手を上げたり発言したりした経験がある人は多いと思う。実際私も、多数決のとき、私と同じ意見の人があまりに少なかったら、手を挙げかけてやめたということが何度かある。日本人は人に合わせようとする気持ちが強いので、「安定」という思考に結びついてしまうのだ。
 第二の原因としては、日本が、地理的、歴史的要因において外国との競争になれていないということが考えられる。日本が鎖国していた十八世紀、欧米では新しい技術を求める気運が高まっていた。一方日本は、幕府の政策によって、新しい発明を禁じられていたうえに、外国の状勢も分からないため、外国との競争などありえなかった。明治維新以降、その状況は改善されたが、未だに私達は外国との競争に慣れているとは言えない。自然界でも、例えばマダガスカル島などの島国は、海によって隔てられたことでその国の植物、動物はその島国特有のものに変化していった。それと同じように、私達日本人も、海で隔離されることによって、「和」をもとめるという独特な風潮がしみついてしまったのだ。
 確かに、特許で発明を守ると、技術を共有できなくなるというデメリットも存在する。しかし、特許とは、社会進歩を妨げる壁ではなく、新たな発見へと我々を導く扉である。「新しいものを受け付けない」という日本の風潮は問題だ。

   講評   kira

 みかんちゃん、こんにちは。新しい年も、さまざまなテーマについて議論しましょう。

 言葉という文化を楽しみたいね。


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