対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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今と昔の正月 カンテーレ
ぼくは十二月二十三日の日、コンピューターとにらめっこをしていた。なぜかというと、クリスマスプレゼントにWiiの”たいこの達人”がほしかったので必死で探していたからだ。だが結果はどこも売り切れ。もう無理だと思ってぼくはあきらめた。そのかわりに他のゲームをもらうことにして、デパートへ買いに行った。そして目当ての品を探していると、なんとびっくり。”たいこの達人”が売られていたのだ。在庫はあと二つ。きゅうきょ予定変更で”たいこの達人”を買ってもらった。実は昨年僕がひいたおみくじは大吉だったのだが特別に良いことはなかった。だが最後の最後ですごくラッキーになれた。
そして、一週間後の正月の日。ぼくはいとことおばあちゃんの家でたいこの達人をした。最初はみんな楽しくやっていたのだが、順番交代するのがいやになってきて
「もう待つのはいやだ!」
と言ってけんかを始めた。母さん達は何も言わなかったのだが、おばあちゃんがまるで風のようにやってきて
「そんなことも我慢できないならやめなさい!」
と怒った。ふだんはなかなか怒らないおばあちゃんがそんなことを言い出して、僕達だけでなく大人もおどろいていた。それから長ーい長ーいお説教をくらったのだ。やはり年寄りの説教は長かった。
その説教の内容をしょうかいしよう。おばあちゃんが子どもの時は、戦争中だった。だから食べ物がほとんどないので、毎日畑仕事を手伝っていた。そして唯一のんびり休んだり遊んだりできる日が正月だったらしい。でもそのころはお手玉やかるたぐらいしかない。だから正月は友達とお手玉をして遊んだ。それでも久しぶりの遊びはとても楽しかったらしい。この話を聞いて、昔は生活が大変でわがままは言っていられなかったんだなと思った。そしておばあちゃんは、ぼく達がわがままになってほしくないから怒ったんだな、とわかった。
今の子どもは昔の子どもにとっては考えられない生活を送っているんだと思う。おばあちゃんも
「あんたたちのお正月はえぇなぁ。」
とこぼしていた。
「”一年の計は元旦にあり”と言うし、年の初めから遊んで、またがんばろうと思えてん」
とも言っていた。ぼく達は毎日遊んでいるから遊ぶことが当たり前になっていたんだな、と感じた。
「犬も歩けば棒に当たる。”イ”!」
「・・・」
「・・・」
「はいっ!」
昔の遊びと今の遊びは全然違うんだな。
ぼくは今に生まれてよかったと思っている。でも、たった六、七十年で日本が戦争から平和に変わったことにすごいともこわいとも感じた。こんなに早く戦争から平和になれるなら、平和から戦争にもすぐなってしまいそうだからだ。
講評 hira
おばあちゃんは「風のように」やってきたのだね。この子達に伝えたいという思い、迫力が、おばあちゃんを風にしたのだなと感じたよ。さらに考えたことを付け足すことが出来た。「もう一度考える」ことで「考えを深める」ことができた。清書の目的達成!
※書くというしんどいことを淡々と怖いぐらいにやるべき事をやってくるのが、私のカンテーレ君のイメージなので、「ブツブツ不機嫌」を不思議に感じています。カンテーレ君は読む力も考える力もあるので、多少ブツブツいうぐらい負荷をかけた方がさらに伸びるだろう・・・とは本人の意志を無視した大人の意見です(笑)。作文というフレームを通じて、自分の考えを深めていくと言う意味で、これだけ書ければつらいなりにも醍醐味、面白さを感じると思うのですが・・・どうなんでしょうか。今度聞いてみますね。
中一課題からは、今までの感想文から意見文へ変わります。今までが物語を書いていたとしたら説明文に変わるぐらい変化します。さらに難しくはなるのですが、カンテーレ君の場合はこの方が書きやすいかも知れないとふと思いました。
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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