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　　　公園と庭園　　　まる

　庭は原始社会では集団全体の広場だった。歴史が下るにつれて庭園は観念的・趣味的になり公共性を失った。日本の庭が封建的な伝統を続けて固定したのに対して、西洋では一般市民は高層の集団住宅に住み、貴族の豪壮な庭園を開放して公園として共同の庭を整備した。これからの庭、市民生活における理想的な空間は公共的であると同時にプライヴェートであり、運動的であると共に休息的、そして芸術的であるべきだ。公園は見るだけのものではなく公共の広場として使えるようなものにするべきだ。
　そのためには何のために公園があるのかという目的を考えることだ。公園に限らず、世の中には本来の目的から外れて運用されているものが多い。私は今年通販でカーデガンを買った。しかし思っていたよりも薄い。あったかくない。だからこれは春用だと思うことにしてタンスの中にしまった。心の中では春も着ないんじゃないかという気はしていた。ここ最近かなり寒くなり私は風邪を引いてしまった。夜は寒い上に生木が薄くて寝られない。その時ふとあのカーデガンを思い出した。
「そうだ、あれを使おう！」
ということで今ではこのカーデガンは私の夜のお供となった。そもそも服は着るためのものだ。このカーデガンも私が風邪をひかなければ＊年タンスの中で眠っていただろう。危うく本来の目的からずれるところだった。公園も同じで誰も訪れないのでは本来の存在価値が危ういと思う。
　またもう一つには実際多くの人が公園を活用するという機会を作ることだ。昔は子供たちが田んぼに入って凧上げやレンゲ摘み、野球などをして遊んでいた。しかし最近では様々な理由からそれを禁止されているところがあるそうだ。だが昔は制限されていたものがより多くの人に利用されるようになったものもある。例えば後楽園は昔、将軍やその家臣など限られた人しか楽しめない庭園だった。しかし今では老若男女誰でも入ることができる。公園も限られた人だけでなく多くの人が使うことによってさらにみんなの物になるのではないか。
　確かに静かに見るだけの庭園という良さもある。龍安寺の枯山水の中に中学生がドタドタ入り込んで野球なんかしだしたらみんな怒りだすだろう。風情も何もあったものではない。ぼぉーっと眺めるだけの庭園もあっていい。しかしこれからの庭園や公園は内向きに見せるのではなく広場のようにみんなが使えるようなものであるべきだ。「腐っても鯛」というがやはり活きのいいのをみんなでつつく方がいい。庭も同じで、見ているだけではつまらない。

　　　講評　　　hutu

すごく良くなりました。さすが、まるさん。