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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   自然(清書)   くろーばー

 農業は、きわめて恣意的な営みである。人は野草や山菜を採集する労苦と非能率を恨み、採ってきた植物を住むところの近くに置き、管理しようと試みた。そればかりでなく、品種の『改良』という名の元に植物の形すらも人間の望む通りに変えてきた。こうして人は自然を自分たちのコントロール化に置いたような気分になっている。しかし、私たちの農作業は『文化』とは程遠いところにあった。乾燥した暑い夏だったと思えば、その翌年は雨ばかり続く寒い冬で米が大凶作に見舞われたり、予想を裏切る酷暑と旱魃のシーズンで連日水遣りに追われる事もある。自然を手懐けるどころか、実際には単に大きな自然界に合意を得られた分をいただくことしか出来ないのだ。私は自然を支配するという考えではなく、謙虚さを持って生きていきたい。
 そのためには第一の方法として、自然の『力』の偉大さを再認識することである。自然による災害・被害は人間が技術を進歩させていく過程で最も苦しんだ部分といっても過言ではないであろう。日本は地震大国であるが故に、TVでは頻繁に防災グッズのコマーシャルが多く流れ、災害地への募金を募るアナウンスが読み上げられている。地震を予知し、命の危険を最小限に抑えようとする研究は今まで何人もの科学者がそれに取り組み、様々な開発がなされてきた。だがしかし、完全に地震を予測し緊急放送として国民に伝えるというシステムは未だ完璧には至っていない。気象庁では平成19年から緊急地震速報を開始する、と発表し、ラジオ等で定期的にテスト放送が行われているが、全ての地震を必ず予知できると保障されている訳ではない。それほど自然は脅威的な力を持って私達に襲い掛かってくる事もあり得るのだ。地震だけではなくそれに伴った津波や、雷、土砂災害等は時に私たちの想像を遥かに超えた側面を見せ、いとも簡単に生命をも奪い取る危険性がある。また、自然は単純に恐ろしいだけではなく、人間の手によって作り出すことの出来る限界を超えた不思議な力を見せてくれることもある。例えば、身近な所にある草木は勝手に光合成を行い、二酸化炭素を吸収して動物にとって必要不可欠な酸素を排出している。この仕組みを人類が研究し、模倣しようと試みてもそう容易くは無いのだ。科学で証明し、科学で解き明かし、科学で防ぐことが出来るのは人間自らが科学的に起こした、作ったものだけなのだ。自然と対立し、闇雲に征服することだけを考えていては、絶対に自然からの恩賞を受け取ることは出来ないであろう。むしろ、人間が自然の中に参加させて頂いているくらいの気持ちで向き合っていかなければ、地球と人間の関係においてますます深刻な問題を抱える破目になってしまうだろう。
 そのためには、第二の方法として、自然と親しみ触れ合うことのできる環境を整備するべきだ。昔の子供たちの遊び場は専ら家の外であり、野原でオシロイバナを摘んでみたり、泥遊びをしたり、虫を捕まえたり、それこそ自然が遊びの学校のようであった。小さい頃から自然の魅力を充分に感じて育ってきた子供は、大人になってもその自然と関わっていく際の思いやりを忘れる事は無いだろう。しかし、今の幼稚園生や小学生を見ていれば分かるように、友達と遊ぶ、と言っても家の中で座ってテレビに向かって、あるいは小さなゲーム機の画面に見入って一心不乱にゲームをやる事が多くなっているのではないか。外で遊ぶにしても、土は汚いし口に入ったら大変、という始末で自然の中で思いっ切り走り回ることもかなり減っていると思う。有名な『ファーブル昆虫記』を書いた科学者、ファーブルは家が貧乏だったため、野山を走り回ることだけが楽しみだった、という年少期を送っている。そして世界的に名を知られる科学者となった。≪伝記実例≫幼い頃自然に親しめる環境があれば、教わらなくとも自然に対し謙虚さを持つようになるはずだ。人間が、いくら環境を破壊し自然を自分のものにしようとしていても、存在している以上自然と共に生きなければならない。共存するための第一歩としても、まず社会全体が自然豊かな環境作りを推進していかなければならないと思う。
 確かに、人間が自然を管理することも必要だ。里山は断続的に人の手が加わる森林であるように、樹林を保ち親しみやすい自然にするために人間が管理している。だがしかし、『自然は絶えずわれわれと語るが、その秘密を打ち明けはしない。われわれはつねに自然に働きかけ、しかも、それを支配する何らの力もない。』という名言がある。このように、支配しようとするよりも謙虚な姿勢で自然から学び、自然の片隅に入れてもらうことを目指すべきなのだ。私はこれから、自然に対し謙虚に向き合って生きたいと思う。

   講評   kira

 くろーばーさん、こんにちは。2月も元気に頑張ろう。



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