対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   私の緊張   かまむ

 どき、どき、どきどき。今にもはきそうなイヤーな緊張がおなかにたまっていた。
トゥルルルルル、トゥルルルルル、
「は、ははははははい。もしもし、」
「もしもし、言葉の森のxxです。」(書き出しの工夫)
その数日前のこと、母に、
「作文を書くための通信教育に申し込んだからね。」
と言われ、そして信じられないことを聞いた。
「毎週書くそうよ。毎週。」
「ちょっと待ってよ!」
と私は叫びたかった。ろくな文章もかけないのにどうやって原稿用紙にずらずらとした長い文章を書かなくてはいけないのだろうか。それにもう一つ。その当時の私は電話に出られなかったのである。留守番中に電話がなっても姉とどっちが出ないかでけんかするくらいだった。それを考えているうちに母は、
「いいわね。」
と言った。そう言われてはもう引き下がることは出来ない。
「う、うん。いいよ。」
「じゃあ決まりね。」
(だまされた。)
そう思いながら、私は言葉の森の教科書を見つめた。
「作文かあ。」
そのことがあったからこうして私は電話の前で、どきどきしながら先生から電話がかかって来るのを待っていたのである。
「ではまず、長文の問題をしましょうか。」
「はっはい。」
手の中で受話器はぶるぶる震えていた。
「では作文を楽しみにしていますね。」
と言われ、電話は一段落。私は優しそうな先生をすぐ気に入った。でも電話が終わってほっとしてしまった。
「ふー。」
先生もきっとそうしたのではないだろうか。
私の教会では外国人がたくさんいるので、主に英語でコミュニケーションをとるのである。 そして私の父は牧師である。父は英語が苦手だった。そして初めて教会の前でお祈りをしたとき、父は大変緊張したそうなのである。父は、まずお祈りを紙に書き、そしてあんしょうをした。母に暗唱できたかをチェックしてもらっていたとき、そのとき練習していた父を聞いていた姉が父に、
「その発音、ちがうよ。」
と言ったからなのだそうだ。もう一つの理由に、父が一言言うたびに母、姉、そして私に正されることでもあったそうである。
でもステージの上に上がり、目を閉じ、そして
「dear heavenly father .」
と言ったとたんに頭の中に無限の宇宙が広がって、3秒後に意識が戻ったそうなのである。そうだがその後、暗唱したことをすべて忘れてしまったそうなのである。
「う………。」
そんな失敗をした父でさえ今では英語でお祈りすることなんてへっちゃらだそうである。暗唱もしなくていいのだ。(例え)(聞いた話)
 人間にとって適度な緊張は新しいことに挑戦しているという意味である。ということは、最近あんまりすごいことやってないなーと思っている人は、緊張したことを思い出せばいい。緊張をしていないと新しいことをしていないということではないだろうか。千里の道も一歩から。
トゥルルルルル、トゥルルルルル
「はい。もしもし」
「もしもし、言葉の森のです。」
今ではもうなれてきた言葉の森。
「では作文を楽しみにしているね。」
「ありがとうございました。」(一般化)(ことわざ)(書き出しの結び)

   講評   kamo


 かまむちゃん、こんにちは。初めての電話は、私も緊張したけれど(^.^)楽しかったです。これからよろしくね(^o^)/
 さて、今までの作文も大体読ませてもらっていたから、この作文もとても楽しみに、期待を込めて(笑)待っていました。そして、やはり期待どおり、いえそれ以上の作文が届き、嬉しかったです。会話をうまく使って、リズムよく、楽しい作文になったね。
<構成>
 書き出しは、心臓の鼓動と電話の鳴る音。そして電話を取っての会話。結びの工夫は、それに合わせて電話を切るときの会話が書けたね。とてもよかったです。
<題材>
 自分の緊張した体験をしっかり書けた後は、お父さんから聞いた話が書けた。これもとてもよかったよ。自分の話だけではなく、「お父さんでも緊張する」という具体的なエピソードを入れられたので、最後に一般化したときも説得力が出てくるのだね。
<表現>
 『たとえ』は、「まるで……よう」という比喩(ひゆ)の表現のことなので(分かっていると思うけれど^^;)、できれば「まるで」「よう」「みたい」というキーワードを入れて書いてみてね。今回は、「頭の中に無限の宇宙が広がって、3秒後に意識が戻った」というのが、比喩表現と言えるかな。ユーモアのあるいい表現だね。
 『ことわざ』も、「千里の道も一歩から」が入れられたね。
<主題>
 「人間にとって」というキーワードを入れて『一般化の主題』がまとめられた。本当にそうだよね。初めてのことや、自分にとっては難しそうなことに挑戦するときには、きっと誰でも緊張するものだけれど、それに敢えて向かっていく勇気を持つことが大切なのだろうね。
 では、これからもまた楽しく進めていきましょう!

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