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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   緊張   まいう

 私は物心ついた時から緊張しーであり、緊張というやつ「表現」とは縁を切れるものなら切ってしまいたかったが、悲しいかな三子の魂百まで「表現」というわけで気がつくと一日何度も憎ったらしい緊張というやつ「表現」が私の意識の中に顔を覗かせることしばしばで毎日を送ってきた。親しい友達とは話せても、慣れない人とは話せない。そういった時には決まって無意識のうちに身も心も緊張して思考停止状態になっており、早く時間が過ぎてくれないものか切に願った。克服する方法がわからなかったのだ。田舎育ちであり、おとなしいという言葉が身内の中ではある意味褒め言葉として使われていたような気がする。特に父親のおとなしいことを良しとする発言をことある毎に聞かされて育った。そのたびに内心では反論をし、なんとかしたいという思いをずっと持ち続けてきた。
 そんな緊張しーの私なので会社勤めはしたくないと子供の頃から研究者の道を思い続けていたが、コミュニケーション下手だけど遊ぶのが好きな半端な人間だったので、研究室に入ったものの研究者に向かないと感じ、やむなく会社勤めを選んだ。会社に入ってスピーチ、説明、報告、連絡、相談、議論、発表などことごとく緊張しまくってしどろもどろになったり、貝のように「表現」押し黙ってしまったりした。「題材」なんとかしようと本を読んだり、プレゼン研修、そして実践で鍛えられながら、「題材」カメの歩み「表現」であるが、勉強をした。自分では成長が実感できず、「なんでおれだけいつまで経っても下手なんだろう。みんなは器用にできるのに」といらだちと無力さを感じ、途中放り出したくなりながらも放り出すわけにもいかず粛々と続けてきた。
 月日が流れ、私が務めた発表会の司会進行の後で、私が司会のできについて「どうだった」と聞いたわけでもないのに、「成長した」とたまに何回か言われた。それでも成長を実感できないでいた。さらに月日が流れ、以前は会議の場で連絡事項として何を発言していいかすら思いつかないし、思いついたとしても緊張して発言できなかったが、さすがに今まで以上にそれなりに発言をしないといけないよう立場になり、朝会と称し、毎月曜朝に会議が行われるので、何かしら連絡事項を見つけてはリハーサルをし、会議の場で発表し続けた。そのうちに連絡事項があたりまえのようにだんだん思いつくようになっていった。ある時急な連絡事項のため、リハーサルはできていないが、発言を求められた。それでも言葉に詰まらずに順序立てて発表できた。これには自分も驚いた。「成長してる」と。
 振り返って、人間にとって緊張は防衛本能として備わっているものでありいかんともしがたいものだ。特に私を含め緊張しーで緊張が原因で大事な時に普段の能力が発揮できない人は、なんでもかんでも緊張を悪と決めつけてしまいがちではないだろうか。この状況を冷静に俯瞰できれば、失敗の原因は緊張以外にもあり、自分の実力というものがそもそもどんな状況においても100%発揮できるまで習熟できていなかったことがわかってくる。緊張がうまく制御できなければいい成果を出せないが、緊張感がなくてもいい成果を出せない。緊張にはテンションを高めていくいい面も持ち合わせている。このことを認識した上で、できない原因を分析し、それをつぶしていけば緊張ともいいつきあいができるようになるはずである。「主題」私が物心ついた時からの緊張しーで三子の魂百まで「表現」と嘆いたことも、徐々にやがて加速度的に身体感覚の一つとして緊張を上手にコントロールできていく気がしている。「構成」

   講評   takeko

今回もとてもいい作文でした!「緊張」とは誰しもにあるもので、かえって緊張をしないように見える大胆な人より、共感や好感がもってもらえるものです。今回は、言葉の森の項目課題にそって書いてもらいましたので、講評もその課題にそったものになります。
「構成・書き出しの結び」「物心ついた時から・・・三つ子の魂百まで」が、最初と最後の段落で効果的に使えました。
「前の話聞いた話」ここは、一つの話題をただ、時間軸の進行にそって書くのでなく、間に、それ以前の話や聞いた話などをはさむ課題です。この作文では、「ある時急な連絡事項のため、リハーサルはできていないが、発言を求められた。」という文を、「それでも成長を実感できないでいた」のあとにすぐ続けます。そのあと、「さらに月日は流れ」をとって、すぐ「以前は会議の場で・・・」から「だんだん思いつくようになっていった」と入れます。こうすると、ここで時間軸の逆転が起こりますね。これが「前の話」という課題ができたことになります。この文のあと、「そしてこのとき、リハーサルができなかったのに、言葉に詰まらず・・・」とします。
「表現・ことわざの引用・たとえ」「たとえ」は「まるで〜のよう」と別のものにたとえます。この中で、「貝のようにおしだまり」がそれですね。なお、項目課題の書き込みは一箇所でかまいません。
「一般化の主題」ここはもう、さすがです。社会人としての経験が、豊かな意見を形成しています。全体に、緊張しいだったのが、それを社会人として克服する過程が具体的にとてもよく書けていて、読む側も快い達成感をあじわうことができます。できごとが整理され、文章表現もとてもいいです。もっと個性を出そうとするためには、あえて「まるで〜のように」を変わったものにたとえる練習もいいですよ。

(この講評はぜひパソコンからごらんになってください。イラストが動画になっているので)

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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