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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   情報の消化吸収   サニー

   「情報の消化吸収」
                         サニー
 私は、新聞を毎日立つ縁日のようなものであると見ているふしがある。縁日であるから、やはりそこには、日常生活に時間の流れと異なった、様々な偶然の介入があったほうがよい。さし当たって、新聞の中にそうした偶然が潜んでいる空間を探すとすれば、それはやはり、あちこちに散らばっている情報である。情報も出来るだけ、個人が密かに培養している、「私」文化と言った、あまり人とわかち持ちたくないものに直接プラスになるもののほうが、意外性の面ではより高いように思われる。<要約>僕は、新聞を縁日のようにぶらぶらと散策して興味のあるところに寄り道し、気楽に読んでいくことはよいと思う。
 その一つ目の理由は、新聞をまるっきり信じて、この世を見ていたら、本当の真実を見つけられなくなってしまうからだ。先日、テレビによく出ている田嶋陽子さんと5人の男子高校生とのトークバトルをある高校で聴く機会があった。
「例えば、イギリスのニュースがあって、それが日本のメディアで情報発信されるとするよね。その記事は日本人記者の個人的な偏見や価値観で変な風にまとめ上げちゃって、当時イギリスに住んでいた私からみれば全然真実を伝えていないということがあったのよ。そうした事実を伝えきれていない情報はこの世にたくさんあって、あなたたちが読んでいる新聞やテレビなんかはそんなのが多いということを知っていて頂戴。それが証拠にね、新聞社だって、密接な関係のある政党や企業があるわけでしょ。テレビだって、同じ局のニュースなんて、同じ映像を使いまわして同じような意見に偏っているでしょ。世の中にある情報は人の価値観で良し悪しが決まっちゃって、本当に良いか悪いかわからなくなることがあるわ。だからね、新聞を読むにしてもテレビを見るにしても純粋にそのまま受け止めずに、鵜呑みにしないことが大切よ。それから、新聞やテレビばかりに頼るのではなくて、関心を持ったなら、それに関する本を是非読んでちょうだい。真剣に向き合おうと思う問題に対しては、自分の足を運び、自分の目で実際に確かめる努力もしてほしいと思うわ。」
と、首を縦に振るしかなく、とても説得力のある話だった。僕も、言葉の森で、長文を読んで感想文を書くとき、長文を自分なりに読み解いて、賛成か反対かを自分の中で決めて長文を書いている。「自分の心の内に持っていないものは何一つ自分の財産ではない。」という名言もあるように、筆者が言っていることをそのまま鵜呑みにするだけでは本を読む意義がないと思う。たくさんの情報を知って、それを頼りに自分なりの価値観を築いていくことが大切だと僕は考える。
 二つ目の理由は、マジメ腐って新聞の全てを読んでいたら時間がかかるし、疲れて仕様がないからだ。僕は、時間的にゆとりのあるときは、なるべく新聞を読むようにしているが、それでも、自分の興味のある、生活欄や科学欄、事件欄などをよく読んでいる。スポーツ欄なんかには目もくれず、さっさと飛ばしてしまう。興味がないからだ。唯一、社説だけは義務感で毎日読むようにしてはいるが。このように、僕は、新聞は自分の教養だと思って頑張ってつらい思いをしながら続けて読むものではなく、先に述べたように、まるで縁日をぶらぶらと散策するように楽しめばよいと思う。確かに新聞は、文章の宝庫である。新聞を毎日読むというだけで読解力、文章力、速読力、教養、知識、興味、など様々なものが得られ、国語や公民などの成績が上がること間違い無しである。そういう点で、新聞はとてもよい情報源である。しかし、新聞に頼りすぎて鵜呑みにすることも好ましくないが、。極めて難しいところである。
 確かに、この世の中の様々なメディアからは、しっかりと読んだり見たり聴いたりしないと情報が得られないから、ある程度信じなくては始まらない。これは事実だ。ところが、「悪書を読まないことは、良書を読むための最初の条件である。」という名言もあるように、自分の価値観を築いていって、物事を判断していくことも大切だ。だから、僕は、新聞を縁日のようにぶらぶらと散策して興味のあるところに寄り道し、気楽に読んでいくことはよいと思う。人生、気楽に楽観に生きていくことはとても大事なことであると僕の哲学は思う。これから僕は、もっと新聞の良き「読み手」になっていきたいと思った。

   講評   komiko

サニーくん、こんにちは! 今回は長文をよく読みこなして「僕は、新聞を縁日のようにぶらぶらと散策して興味のあるところに寄り道し、気楽に読んでいくことはよいと思う。」と、工夫をして「是非の主題」を挙げてくれたのですね。いい「体験実例」を入れて説得力のある意見文になりましたね!

 「要約」をバランスよくていねいにまとめられています。「是非の主題」を挙げた後に「理由一」では「新聞をまるっきり信じて、この世を見ていたら、本当の真実を見つけられなくなってしまうからだ。」としてトークバトルで田嶋陽子さんの意見を生で聞いた衝撃をていねいに田嶋さんの意見を思い出して書いてくれました。「情報を鵜呑みにしないこと、新聞テレビだけでなく関連する本を読むこと、自分の足で真実を見つけること」を学んでくれた様子がよく伝わってきました。いい経験をされましたね。「たくさんの情報を知って、それを頼りに自分なりの価値観を築いていくことが大切だと僕は考える。」と「途中の感想」もしっかりと書けていました。「理由二」では「マジメ腐って新聞の全てを読んでいたら時間がかかるし、疲れて仕様がないからだ。」と、素直な理由を挙げてくれました。「新聞はとてもよい情報源である。しかし、新聞に頼りすぎて鵜呑みにすることも好ましくないが」と自分の思いを素直に書いてくれました。確かにお話ししていた「行間を読む」には、情報を得るためにさっと読むことではできませんね。第四段落では、「反対意見への理解」「名言の引用」「是非の主題」「これからの結び」と、しっかりとまとめてくれています。「人生、気楽に楽観に生きていくことはとても大事なことであると僕の哲学は思う。」と、素敵な表現でまとめられました。よく練り上げてくれましたね!

 次は2月17日(火)に電話をします。「科学は記述から始まる(感)」を読んでの意見文の練習です。冒頭三百字の暗唱にチャレンジしてくださいね。

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