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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   ヨーロッパにおけるリンゴの(感)     まいう

□日本のリンゴの栽培は、欧米の外観が悪くても、味がよければよしに対し、ひたすら外観重視の「高級化」の道を歩いてきた。外観への極度のこだわりは、日本の果樹生産の一般的風潮にすらなっており、より美しい果物を食べたいというのは国民性といえるかもしれない。ただ、本末転倒なのは、しばしば味よりも「見てくれ」の方が、「高品質化」の上位に座っていることだ。この日本人の美意識には、いささかの軌道修正の必要がある。「構成」
□日本では、デパートなどで買い物をするとかなりていねいに包装してくれることが多い。みやげものを買う場合、必ずと言っていいほど店員から自宅用か贈り物用かと訊かれる。そして贈り物用であればかなり凝った装飾つきののし紙だったり、色鮮やかなのし紙だったりする。またスーツや靴などを購入する場合もしっかりしたスーツ入れや箱に商品を入れ、さらにメーカーまたはブランドのロゴの入った大きな紙袋に入れて手渡してくれる。これに対して、買い手側の私は過剰包装、過ぎたるは及ばざるがごとし「表現」と感じつつも、外観のいい包装を施してくれると、いい買い物をしたと得した気分になったりする。そしていつの間にか洗脳された買い手は今度もまたここで買おうとリピーター客と化してしまう。そのため時には必要以上に買い過ぎて後悔することもある。「題材」また売り手側からすれば、ライバルとの差別化、宣伝効果などを期待してのものである。まさに消費者心理をくすぐる演出である。たとえ自分のところでしか扱っておらず中身に自信のある商品であったとしてもである。コスト削減とばかりに工夫を怠り安易に味もそっけもない包装にすることは商品の魅力を損ない売上減につながる危険性すらある。
□よく人間は見た目よりも中身だ。と性格、人格の大切さを学校などでは教わった記憶がある。けれども実際大人になってみてわかるのがまずは見た目の重要性である。就職活動や入社時の新人研修などで社会人としての身だしなみについて学ぶ。過剰包装ならぬ派手な服装はもっての外であるが、基本はTPOをわきまえた清潔感のある身だしなみを心がけることである。その上で必ずしも必要条件ではないが、おしゃれの演出が存在感やさらなる好印象へつながり、職場の人間関係向上、そして仕事でいい結果を出す可能性を高めてくれる。人はほんの数秒の見た目の第一印象でその人の性格や仕事の能力などを判断する。男女関係においても一概に言えないとは言うものの、見た目の印象と好感度の相関関係は高い。
□アメリカのスーパーマーケットや、大衆向けの百貨店では、買い物をした商品は、茶色い紙袋に入れるだけである。日本人の目には、それが逆に新鮮でおしゃれに見えたりする。日本人は、見た目の美しさをだいじにするが、本当は、はででない、「わび・さび」という質素な美しさを大切にする感性もあったはずである。かざりけの無いお茶室に一輪の花、一幅の掛け軸。また、一枚のふろしきで、スイカでも、一升びんでも、なんでもきれいに包んでしまう技術もあったはずである。中身である味よりも外観重視と本末転倒となっている日本の果樹生産の一般的風潮においても、「わび・さび」という質素な美しさを大切にする感性をとりもどすことが必要がある。「主題」

   講評   suman

「構成」「題材」「表現」「主題」の各項目をきちんと押さえて書けています。要約は、前回よりも字数を減らし、簡潔にまとめることができていますね。
第二段落:デパートでの買い物という誰にも馴染みのある体験を取り上げていて、親しみのわく内容です。
第三段落:「まずは見た目の重要性である。」→その前に「〜わかるのが」とあるので、「まずは見た目が重要だということだ。」とする方が適切でしょう。
「存在感」→これだけだと、中と半端な感じなので、「その人らしい存在感を感じさせ」などとします。
「見た目の印象と好感度の相関関係は高い。」確かにそうだと思います。
第四段落:「わび・さび」の美という日本の伝統精神にふれて結びとしたのは、なかなかいいと思います。
また、現代はゴミを減らし資源を大切にすることが真剣に考えられている時代です。
過剰包装については、自粛する動きも出ています。そういう視点から見ると、「わび・さび」という質素な美しさは、現代的な意味を持つものといえるかもしれませんね。
           
暗唱にも意欲的に取り組んでおられて、感服しました。

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