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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   社会のなかの個人   らっど

 社会という言葉がある。これは日本ではこの国の現状を表す意味で使われている。日本の人々はこれを普段「社会」ではなく、「世間」と呼んでいる。一方欧米では、自立した個人を前提にして、「個人がつくる社会」というふうに使われている。欧米では神様と契約した個人が社会の中で生きているのだ。欧米で使われている「個人」という言葉と日本で使われている「個人」という言葉は似ても似つかないものなのである。日本ではまともな事をいうと馬鹿にされることが少なくない。これは、日本という国が個人の意思ではなく、世間の意思で成り立っていることに由来する。ゆえに、日本では「個人」が「世間」に流されやすいのである。私はそこに問題があると思う。
 その原因の理由として第一に日本の農耕民族の歴史が「協力し合って生き抜く」という日本の国民性を作ったというところである。学校や会社、スポーツのチーム等で、“チームワーク”という言葉は口にされやすい言葉かと思う。そのチームワーク、すなわち仲間の和を乱すような人は仲間から敬遠されがちである。仲間は協力することによって、一人は不可能な作業も、複数名で行えば可能な作業になったりすることもある。その一方で、自己主張しにくいというリスクもある。欧米の個人主義ならば、すべて自分の意思で物事を決めれるという利点があるが、人間関係が冷たいということになることがある。スポーツでは、チームの心を一つとなっていなければ勝つことなど到底できない。私は、個人種目であるテニスをやっているが、団体戦では、それぞれの役割を果たすために、で努力する。皆がそれぞれ自分の長所を生かして、自分がどういう形でチームの力になれるだろうと試行錯誤しチームが一丸となって勝利を目指すのだ。
 また、第二の理由としては日本は島国の社会であるために、他の文化との人間との接触が少ないことである。ダーウィンが進化論の着想を得たガラパゴス諸島は、小さな島々が急な潮の流れにより他の島々から隔離された状態であったために、島ごとに特殊な進化を遂げた生物や自然が島を形成していた。
 確かに日本の世間重視のスタイルは安定した社会をつくり出した。しかし、これからの国際社会や不況の中では、自分の意思を持って意見を述べたり行動していかなければならないのではないだろうか。今の日本の政治家は自分で言った事にも関わらず責任から逃れるためにどんどん「辞任」というかたちで責任から逃げているような気がする。こういう国を背負って先陣を切って世界へと「日本の今」を伝える人間こそ今一番変わるべきなのではないだろうか。

   講評   nane

 日本文化の問題はよく出てくる。こういう形の日本=集団主義、欧米=個人主義という発想は、日常生活でもいろいろ役に立つことが多い。例えば、欧米の人相手に、宴会をするときなど(笑)。
 日本人は、野球のようなチームワークを必要とする競技に向いている面があるのかもしれないね。逆に、個人で判断する競技は向かない。もちろん、日本人でもいろいろな個性の人がいるから、一般論で論じることはできないけど。
 ガラパゴスの例は、いろいろ応用できそう。記事をインターネットで探して肉付けしておくといいよ。
 「世界へと「日本の今」を伝える人間こそ今一番変わるべきなのではないだろうか」は、いい表現。やはりもっと自己主張しないとね。

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