対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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嵐の涙としずくの涙 ひよこ
「え……。うそ……、うそでしょ!」
もうすぐ三年生、というワクワク感を持った春休みの最中。朝、起きた私に言った、お母さんの第一声は、そのワクワク感を一気に消してしまいました。
「K先生、他の学校にいどうするんだって。新聞にあったわよ。」
お母さんは笑っていたけど、声は悲しそうな、私に同情するような声は、今でも覚えています。
K先生は、私の一、二年のたんにんをしてくれた、私の大好きな先生です。
「何で。何でよ。何で。」
私は、これを泣きながらくり返しました。
「校長先生にまでお願いしたのに。」
それは、事実です。二年も終わろうとする日の休み時間、クラスの女子全員で、ろう下を歩いていた校長先生に
「K先生を、三年生の先生にして下さい。お願いしまーす。」
と、照れながらも言ったのです。
そんなことがあったので、まるで嵐のようにはげしく泣きながら、本気で校長先生をうらんでやる、と思いました。
時は変わって、三年生の四月の終わり。その日は、朝から、ワクワクしたりきんちょうしたりしっぱなしでした。理由は一つ。りにん式で、K先生が、また私の学校にもどってくるのです。私は、その日のじゅぎょうなんて、うわの空で、耳をす通りでした。
ついに五時間目。りにん式の時間。体育館の中で、ずっとそわそわしていたのは私だけでしょうか。
「拍手—(パチパチパチ……)。」
司会の先生の言葉と同時に、なつかしい先生たちがぞろぞろやってきます。その中に、あのK先生もいます。私は、夢じゃないか、と思いながらぼーとしていました。
『りにん式の歌』が始まりました。でも、もう、サビの部分ががまんのげんかいでした。
「ポッツン。」
ドラマだったらこのように表現するのでしょうか。とても言葉では表せないような、悲しみを全部入れてしまったかのような、大つぶのなみだが一つ、こっそりまぶたから出てきました。
あれから二年。私はこの思い出を、大切に、忘れずに取っておこうと心の中で思いました。そして、にっこり、笑顔を作りました。
講評 inoro
こんにちは、ひよこさん。清書でこの作品を読み直し、むねにせまる“しずくの涙”について想像しました。そしてもう一度、K先生をしたう思いに感動しました! また、ひよこさんがこんなふうに「自分の表したいことを表せる」ということを先生はあらためてうれしく思いましたよ。
いつも自分で書きたいことを決めて、積極的に取り組んできたひよこさん。どうぞこれからも、言葉に親しみ、「作文を書くこと」を楽しんでいってくださいね。
3月1週目は、進級テストですね。いつも通り、力をはっきして書けば大丈夫! 項目シールをはりわすれないようにね(^。^)-☆
ひよこさん、一緒に勉強できてうれしかったよ。元気でね! 本当に、どうもありがとうございました。
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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