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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   Voyage   カエル

「構成図」一段落、要約と当為の主題 二段落、体験実例 三段落、歴史実例 四段落、当為の主題とまとめ
現在の子供達に見られる問題として、他者への無関心と気配りのなさが挙げられる。例として学校で考えてみよう。最近の小学校の高学年では、かつての中学校のように授業が成立しないということがあるらしい。しかし、かつての中学校と違うのは、教師への反抗ではなく無視が原因であるということだ。さらに昔では皆出来て当たり前だった「釘を打つ」という行為ですら、一人では満足にすることが出来ないのだと言うから驚愕してしまう。今日、そういった諸問題に加え本を読まない、いわゆる「活字離れ」が起こっているという。自己の世界を構成する為の基本的な行為であるのだがその文化は急速に衰退しつつある。だから私達は、いろいろなものに関心を持つことが必要だと思う。(当為の主題)
まず、そのための方法として第一に、いろいろなことに積極的に参加し、興味を持ってみることだ。(複数の方法1)
私が昔聞いた話では、「知識というのは自分で行ってみたことや、書いてみたことの方が頭に残る」というのだ。私はそれが本当のことだと信じてはいなかったのだが、授業で先生の話すことをただ聞いているよりも、キャンプなどでその場所で教えられ、自分で作ったテントの作り方なんかの方がよっぽど頭に残るものなのだ。こうやって人は成長していくのだから、ただ人の話を聞いているだけでなく、これ面白そうだなと思ったら自分の納得がいくまでその物事について調べると、新しい考え方や物の見方が自然と身についてくるのだ。それによって夢が、決まる事だってあるだろう。
そのための方法として第二に、他者と関わりあって生きていくべきだ。(複数の方法2)
「人間、一人では生きていけない」とはよく言ったものだ。誰が言ったのかは分からないが(笑)本当に私もそう思う。
ここまで人間が進化し成長してこれたのも、人と人とが協力して切磋琢磨してきたからとしか言いようがないだろう。
そういった大前提が目の前にあるにもかかわらず、最近の子供達は友達と外で遊ぶのを嫌がり家の中で一人でゲームをして過ごすのが普通になってきている。これでは、成長なんてできるわけがないのだ。人間は、一人ではちっぽけな存在で世界を変える事なんてできない。しかし、人が力をあわせる事によって、何十年も独裁に苦しめられていた人々を救い出すことだって黒人と白人の権利を平等にだってできるのだ。そうやって人々が世界を正しい道へと導く時、人や国は成長をするのだろう。
確かに、他人と関わることで面倒なこともある。人間関係のこじれで「事件」に発展する事だってある。しかし、やはり、人間がここまで成長できたのは「金は一時的な信頼を生む、友情は永遠の信頼を生む」という名言のように、友や仲間というのは、人の成長に絶対的に必要なものなのだろう。「金の切れ目は縁の切れ目」ということわざも悲しいけれどもある。しかし、そこには金という一時的な安定、いわば蝋で出来た船のようなもので、漕ぎ出してみたら知らぬ間に解け始めそれに気づいた時には手遅れになる。しかし、本当の信頼とはがっちりとしたレンガのような水の入り込む余地もないしっかりとした船ができる。レンガだと沈んでしまうが(笑)このように、「人」は人とのかかわりや物とのかかわりがあることによってその人の人格なり夢なりが決まってくるのだから、今ゲーム機のコントローラーを持っているのならばそれを置き、自分の身の回りにある友人でも家族でも些細なものでも何でも良い、そのオールで漕ぎ出してみたらどうだろうか?

   講評   mae

 題名をなぜ「Voyage」とつけたのか、その謎が四段落で解ける形でしたね。最後の、「今ゲーム機のコントローラーを持っているのならばそれを置き、自分の身の回りにある友人でも家族でも些細なものでも何でも良い、そのオールで漕ぎ出してみたらどうだろうか?」というまとめは非常に心に残ります。もちろん、それまでの論の進め方も非常によいのですが、最後を問いかけの形にすることで、読者の心に非常に残る形となります。計算なのか、自然体なのか、どちらにしてもカエルくんのセンスには脱帽です。
 いろいろなものに関心を持つためにできること。一つ目は「いろいろなことに積極的に参加し、興味を持ってみる」。最近の学習塾では、小さい子供たち(小学校一、二年生くらいの子供たち)に時計を分解させたり、電気の実験を実際にさせてみたり、ということをしているようです。机上で学ぶことより、実際に体験させて「おもしろいなあ」と思ったことの方が頭に入るということなのでしょう。また「他者と関わりあって生きていく」。これもまた大切なことですね。先生の住む足立区では14時ごろ、毎日「小学校の下校時間です。目配り気配りをお願いします」という放送が流れますが、逆に考えると、そういう放送を流すことそれ自体が、他者に干渉しあえない現代を端的に表しているような気もしますね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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