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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   短い言葉を効果的に   うさちゃん

 うるさいことは嫌いだという。ごてごてしているのは面白くないと感じる。こういう傾向が言語に影響しないはずはない。細かいことは省略してしまう。それがわからぬのは野暮だとして相手にしない。のけ者あつかいにされるのは誰しも好むところではないから、おたがいに以心伝心の術を長ずるようになる。「言いひおほせて何かある」・・・・・・そう芭蕉は言っている。完結した表現、整いすぎた言葉は詩にならないことを、これほど端的にのべたものはすくない。「言いひおほせ」ないためには論理でもなんでも犠牲にしてかえりみない。
 理屈ではなく直感に訴えようとする日本的なコミュニケーションの取り方は良いと思う。
 その理由は第一に、相手の言いたいことを読み取ろうとすることで、思いやりの心が育つからだ。この間、私が自分で買った。五匹で百円のクマのキーホルダーがある。五匹なので、妹に一匹あげた。妹は、「ありがとう。」とお礼は言ったものの、その後に続けて「お姉ちゃんは三匹?」と聞いてきたので、私は、(あ・・・。もう一つ欲しいんだ。)と察して、友達にあげようと思っていたもう一匹を妹に渡した。妹はその二匹を、キーホルダーではなく、人形として扱って、二匹の部屋まで作ってしまった。妹はさりげなく、短い言葉で、自分の欲をあえて表に出さずに私にもう一匹欲しいと訴えたが、少し遠慮気味だからこそ、私がそれを読み取れたのだと思う。「もう一匹その水色のクマが欲しい!」と言われていたら、私は妹にクマを与えていなかったと思う。
 第二の理由としては、短い言葉から想像広げることで、感受性が豊かになるからだ。データとしては、「企業の宣伝費」が挙げられる。それを見ると、一位がトヨタ自動車で、70,918百万円 二位は、花王で、49,273百万円(日経広告研究所)だった。番組の途中や、番組と番組の間にあるコマーシャル(CM)は、私たちから見れば、とても邪魔な物である。たかが一つ十五秒ほどの物が四つ流されるだけなのだが、「早く続きが見たい・・・。あぁ。コマーシャルのあとだって。」となってしまうと、どうしても邪魔者になってしまうのだ。しかし、データを見ても分かるように、コマーシャルを作るのはとてつもなく大変なのである。お金もかかるし、なにしろ、十五秒前後という持ち時間で言いたいことを言わなくてはならないからだ。あんまりくどくどと説明していては、説明がプツッと途中で切れて次の宣伝が来てしまう。ここで、第二の理由が使われるのである。短いキャッチコピーで宣伝し、見ている人に想像してもらうのだ。そうすれば、余計な物もないし、見ている人も感受性が豊かになるというわけだ。(フムフム。私も納得である。)つまり、一石二鳥なのである。
 確かに、物事を理屈で考えることも必要だ。しかし、「辞書のような人間になるのではなく辞書をうまく使えるような人間になることが勉強の目的である。」という名言もあるように、短い言葉を効果的に使うことが大切だと思う。

   講評   tama

 長々と理屈を述べるよりも、たとえ短くても直感に訴える言葉を使う方がよいという、日本的なコミュニケーションの取り方に賛成の意見を述べてくれました。短い言葉から想像を広げ、情景や相手の気持ちを読み取ろうとすることで、感受性や思いやりの心が育つという理由も納得できます。明るい印象の意見文で、最後まで楽しく読ませてもらいました。

【体験実例・データ実例】 短い言葉で遠慮がちに言った妹の言葉は、うさちゃんの心にしっかりと届いたようですね。さすがお姉さん。全てを語らずとも、妹さんの気持ちにしっかりと寄り添うことができました。
 「企業の宣伝費」のデータも効果的に使うことができています。番組のいいところでCMが入ると、早く番組に戻ってほしいと思うのが、視聴者の一般的な意見でしょう。そこで長々とやるのは、逆効果というもの。たった15秒という時間では説明できないことも、想像力をかきたてるような印象的な言葉を使えば、あとは受け取る側にまかせておけるのです。ふむふむ、たしかに一石二鳥ですね(笑)。


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