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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   集団   くろーばー

 集団は、裏切り者と犠牲者を生み出すことによって完成される。『裏切者』が発明されるに至り、人間は、自己完結する対人関係を知り得たのではないか。神に対する絶対的な帰意だけでは、集団は不安定であり、そこに『裏切者』を生み出すことで安定したものにすることが出来る。集団が自己完結を目指すのは、集団が衰弱し始めている証拠であり、一つの集団を律する原理は、新約時代から進歩していないとも言える。我々は、内部に『裏切者』を作らずにやっていけるよう、個々人が強くなるべきだ。
 第一の方法として、自らの責任や失敗を相手に擦り付けるのではなく、自分の責任だと素直に認めることだ。長い間集団行動をしていれば、何らかのトラブルが発生することもあるだろう。そこで重要なのは、謙虚な気持ちで受け止めることであり、他の誰かをあたかも『敵』であるかのように見立て、全体の不満を一点に集中させることによる全体的なまとまりは、一時的だということだ。例えば、治安が乱れてきた国が国民を団結させるために無駄に理由をつけて『敵国』を掲げ、戦争をする。私が聞いたことがあるのは、学校の仲良しグループでの話題が専ら他のグループの子の悪口である場合。そんな、集団から見た『敵』によってくっついただけの集団には団結力があるはずがない。一人一人がばらばらに解かれれば、たちまち弱さが目に見えてしまう、その程度なのである。もし、全員が自分の力不足を認められるのなら、強さをもった人だということができる。そうでない限りは、本当の意味で団結した活気あふれる集団ではないのだ。
 また、第二の方法として、秘密主義を捨てることだ。もちろん、自分が秘密主義だと認め、公表している(あるいはそう思っている)人はそう多く無いはずだ。内部に敵を作る前に情報公開しておけば、誰かを一方的に攻め、裏切者に仕立て上げることはそう簡単に出来なくなるだろう。オープンにすることによって意味を成さなくなるかもしれないが(笑)、うまくバランスをとっていけば、宗教団体でも何でも行き過ぎを防止することが出来る。
 確かに、団結する手段としての『敵を作る』方法が今も存在するのは事実である。そうやって集団が出来、壊れ、長い時を経て歴史が出来上がっていったに違いない。だがしかし、強さを身に付ける方が集団としての意識もまとまりも、より良くなるのではないか。敵を作り出すのは集団の弱さではなく、自分の弱い心なのである。(自作名言)

   講評   kira

 くろーばーさん、こんにちは。今回のテーマに関しては、深く理解し、解決策も見えているようです。国際的なことからも、身近な対人関係からも、こなれた論述ができています。
 世の中が厳しく生き難いと感じたとき、とても心地よいのが「いいわけ」だと思います。「○○のせいでこうなった」と、うまく責任転嫁することでぐっと気が楽になります。「いいわけ」も個人的には責任の擦り付けであっても、社会的にとらえると、裏切り者を探しや自分が犠牲者になるという構図になります。物騒な話は、じつは個人的には安易な逃げの構図から発しています。
 しかし、人のせいにするというマイナスの発想からは、何も成長は生まれてきません。自分の責任として引き受け、次に何ができるかを考えることが大切です。
 また、情報を公開して民主的な合議のかたちにすれば、自分都合の論理は通用しなくなります。価値観も歪んだ物にはならないはすですね。そうすれば、建設的な意見が出され集団も強くなれます。宗教団体がまちがった結束をみせた、かつての事件のような暴走は起こらないはずですね。
 「敵を作り出すのは集団の弱さではなく、自分の弱い心なのである」という自作名言は、個人の成熟があれば、思いやりの社会が実現するという指摘にもなっていますね。


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