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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   T.P.O.に応じた言葉遣い   サニー

   「T.P.O.に応じた言葉遣い」
                         サニー
 島国言語の特質は話の通じがとても良いことだ。仲間同士だけで通じ合えるような省略の多い、要点のみを押さえた言葉のやり取りをして、お互いに理解し合うことが出来る。言語には、冗語性という言葉の中に含まれる必要な蛇足があるが、時と場合によって蛇足を加減したりすることをほとんど無意識にやっている。通人には冗語性は余り求められず、簡潔に、浅はかな言葉で伝えることが出来る。<要約>島国言語では通人同士の内で用いられる言葉が発達している。しかし、ときには通人同士でも意思疎通にすれ違いが生じることだってある。大陸言語では、詳しく正確に伝えることが多く、日本語のような曖昧でやんわりとした、深い味わいのある言語文化は発達しなかった。
 確かに、仲間内だけで通じる省略した言葉を使うことで、通な印象を含ませることが出来る。僕の学校でも、「チャリでマルケる?」(自転車でサークルKに行く?)
とか、
「水部もうやっとるの?」(水泳部はもうこのような時期から泳いでいるのか?)
などと、少ない語数でそれなりの意味を表現してしまう言葉が頻繁に行き交う。よほどの情報通でないと、クラスメイトとの完璧な意思疎通は極めて困難だ。また、冗語性の少ない言葉で会話をすると、親密性が深まる。一部の人々だけである情報を共有することで、絆のようなものが生まれ、親しみを感じるからだ。冗語性の少ない、日本語の塊が和歌である。十七音または三十一音ないしそれ以上の少ない語によって作られる、深く様々な心が入り混じった言葉は、人々の心に響き、それを共有することで、昔は社交として発達した。何ともいえない深い味わいのある和歌は、僕はとても好きだ。
 しかし、正しい意思疎通をするには、誰にでも分かりやすく、正しく、詳しく話す必要がある。僕は最近学校の国語の授業で、方言と共通語の性質や使われる地域の分布などを学んだ。共通語は、あまり親しくないか、またはなれなれしくしては失礼な人に対して使い、会議やニュースなどの正しく物事を伝える様な場合に使用される。方言は親密な間柄や地域の人に対して使い、日常的に使われる言葉であることを授業で教わった。地域によっては驚くような方言もある。例えば、北海道では「しねぇ。」を「噛み切れない。」という意味で使う地域があるが、とんでもない勘違いを招くことも大いに考えられる。T.P.O.に応じて正しく使い分けることはとても大事だ。最近名古屋市長選に当選したばかりの河村たかし氏は、積極的に名古屋弁を使って市民にインパクトを与え、注目を浴びた。全国に名古屋弁を広めさせようと至るところで名古屋弁を使って話している。地域の方言は大切な文化で残していく価値があると思うから、そんなんもええんでねえの、と思う。
 正しい意思疎通をするには正しく詳しく分かりやすく言葉を使うことが大切だ。また、親密な間柄で親しみを込めるには方言を使うほうが良い。しかし大切なことは、「郷に入っては郷に従え」ということわざもあるように時と場所と状況に応じてそれを使い分けることだ。僕はこれから上下関係の厳しい社会に出たらよくよく注意して言葉を使って人と良い関係を築いていこうと思う。

   講評   komiko

 サニーくん、こんにちは! 今回は正確な言葉遣いについて「体験実例」をしっかりと引き出して考えてくれましたね。

 「要約」は、バランスよくまとめていますね。「意見一」で「確かに、仲間内だけで通じる省略した言葉を使うことで、通な印象を含ませることが出来る。」と挙げて「体験実例」として中学校で日常的に使われている省略語について挙げてくれました。「冗語性の少ない言葉で会話をすると、親密性が深まる。一部の人々だけである情報を共有することで、絆のようなものが生まれ、親しみを感じるからだ。」と、「途中の感想」も書いて和歌についての思いをていねいに書いてくれました。サニーくんの思慮深さが伝わってきましたよ。「意見二」では「しかし、正しい意思疎通をするには、誰にでも分かりやすく、正しく、詳しく話す必要がある。」と挙げて国語の授業で感じた方言の特異性についての「体験実例」をていねいに書けました。「総合化の主題」では「しかし大切なことは、「郷に入っては郷に従え」ということわざもあるように時と場所と状況に応じてそれを使い分けることだ。」と、まとめることができました。ここでは「しかし、一番大切なのは」という表現にするともっとよくなりますね。最後の「具体的結び」までしっかりと説得力のある意見文を展開できました。

 定期テスト前後で忙しかったのに、遅れた分もしっかりと提出してくれるなんてサニーくんは本当に頑張り屋さんですね。

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