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　　　比喩表現　　　ゆうたん

　詩の中の比喩は、すばらしさから祈りに似た詩の心が伝わってきて、励ましさえ感じる。また、二つの異なるものを結び付けると長く私たちの印象に残る。比喩を、日常の会話でも効果的に使うと、表現が生き生きとしてくる。そのため、比喩は詩歌で古来重要な働きをしてきた。フォークボールを投げるという、肉体的な技術も、その動きをやってみせること以上に比喩が大きな働きをすることがある。私は、比喩表現は大切だと思う。
　そう思う第一の理由は、比喩表現を使うとわかりやすいからだ。私はピアノを長年続けているが、習い始めはいろいろと教わることが多かった。教わることはたくさんあっても私は小さかったから、先生は比喩を使ってわかりやすく教えてくれた。まずは、手の形だった。手はまるくして指でピアノの鍵盤を押すのだが、そう説明されても分からなかったと思う。だから先生は
「手の平に卵をのせるような感じにしてみて。それを裏返したら、割れないようにこのまま指だけを動かしてね。」
と、比喩表現をいれて説明してくれた。それからも何度か手の形について注意されたけど、その時も卵を持ってね、と言われてとても理解しやすかった。また、手首がたくさん動いてしまったときには
「ピアノを弾いているときに手の甲に消しゴムか何かをのせて落ちないようにするイメージでね。」
と言われる。弾くときの姿勢が悪いときは
「天井からひもで引っ張られているようにまっすぐにね。」
と先生は言う。他にも長くつなげるところは、綱引きをしているときのように、と先生はいつも比喩表現を使っている。だから、注意されても嫌にならないし、とにかく分かりやすい。私はこんな先生に教えてもらえて良かったと思った。
　確かに、率直に必要最低限のことを話す場合もある。しかし、「辞書のような人間になることではなく辞書をうまく使えるような人間になることが勉強の目的である」という名言があるようにときには比喩を使いながら、表現のはばを広げることが大切である。だから、私は比喩表現は大切だと思う。

　　　講評　　　onopi

　第一段落で比喩表現は大切だと思うと是非の主題をあげた後、第二段落でそう思う理由とそのもとになる体験実例を書くことができました。（理由が一つの場合は第一のとつけなくてもいいです。）比喩表現を使った説明は人を引き付けるだけでなくわかりやすくすることができます。またその説明がおもしろい場合は特に長く記憶に残ります。ピアノの練習を通していろいろなことを学んできたようですが、その時の理解の手助けをしてくれたのが比喩表現だったようです。今度は、それを使ってあなたがほかの人に教えてあげてくださいね。最後の段落はまず反対意見への理解を示すことができました。ここは（率直な言葉で必要最低限のことを話した方がわかりやすい時もある）ということだと思います。名言を引用して自分の考えをまとめることができました。