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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   直感と論理   サニー

 「はっ!どうしよう・・・。皆に言った方がいいのかな。でも、たぶん信じてくれないだろうな。」
僕の母は、未来のことが想念の塊のように一瞬に飛び込んでくる、テレパシーを感じたことが今までに数回あるという。特にすごいのは、夜中に寝ているとき、翌日の夫の交通事故の場所や相手の車の色、人数、どのようにして事故が起きるかなどがわかったことだ。こういう経験をして、母は自分の能力をある程度信じることにしたそうだ。しかし、事前にそれを伝えようとしても、誰も相手にしてはくれなかったこともあった。まわりは母の言うとおりになっても偶然で終わらせることとなる。曖昧で根拠のない話は社会からあまり受け入れられない。科学的、論理的な話はよく受け入れられる。しかし、人間には直感的な部分がある。
 確かに、理屈に縛られない直感によって得るものは多い。かの物理学者アインシュタインはこう言った。
「私は直感を信じますが、それを知っているわけではありません。」
僕も直感を信じる。人間の頭脳は有限だが、出てくる発想は無限である。詩や短歌などの言語的な文化は、人々が持つインスピレーションによって成り立っている。その言葉のもつ雰囲気や印象、響きなどの共通理解が人々にはある。それは決して論理で説明のつかない、感覚的なものだ。感性を磨くというのは、多分これを磨くことなのだろう。直感は確かに信憑性に欠ける。しかし、それを新しい発想として試行錯誤していく価値は十分にある。この世にある画期的な発明や発見は、直感や怪我の功名、何気ないことでふと気付くことなどによって成しえたものは数え切れない。僕も、たまに数学の図形問題などで、
「こことここの角度は同じになるのではないか。」
と何となく感じて、試してみるとうまくいったというようなことがよくある。感覚を磨くためには、その手のことをよく行ってだいたいの傾向や規則性を感じ取る必要がある。
「こうすれば何となくよくなるのではないか。」
という思いつきこそが直感だ。その直感を生み出す頭脳というものは素晴らしい。
 しかし、データに基づいた論理的な説明は説得力があって良い。会社の会議などで売り上げ高や社会情勢などを説明するのには、確かなデータと論理的な解釈と思考と予想が必要不可欠だろう。経営では、どうすれば利益があがるのかなど、細かいところに目を配り、売上予測をたてる。曖昧な直感だけでは社会で生きていくことは難しいらしい。進化論で有名なダーウィンは言った。
「これほど多数の証拠があっては、人類と他の動物とが共通のものから進化したものであることを、どうしても認めざるを得ない。」
彼は南アメリカ、太平洋の諸島を巡って、生物進化の様子を実際に観察し、多大な成果を収めた。その結果に基づくのが彼の学説だった。これに異議を唱えるのは、もっぱら私たちの本来の偏見と、私たちの先祖が、神に近いものから出たと唱えた高慢心の為である、とも言っている。ダーウィンの進化論は見事に科学的、論理的で信憑性があってとても強かった。そして彼はそれまで人々が信じてきた宗教の教えの迷妄を打ち破り、それ以後の人類の思想に、大きな影響を与えた。根拠のない偏見に論理が勝った良い例である。
 確かに、直感にも論理的な思考にもどちらにも良さがある。しかし、一番大事なことは今までの偏見や決め付けに左右されない自由な発想である。「哲学者たちは、世界をさまざまに解釈してきた。しかし、大切なのは解釈することではなく、変革することである。」という名言もあるように、偏った考え方を改めていくべきだ。これから僕は、人に対して根拠のない偏った見方をしていないかと自分自身に疑問を投げかける姿勢を持つように心がけ、少しでも公平な立場で、理不尽な行動をしないように注意を払おうと思う。

   講評   komiko

 サニーくん、こんにちは! 清書では、印象的な始まりになるよう「書き出しの工夫」でお母さまの会話から始めることができていました。「未来のことが想念の塊のように一瞬に飛び込んでくる。」と比喩表現もていねいに使えています。テーマによくあった感覚的な世界をしっかりと表現できましたね。

 六月二十九日(月)は、五週目でお休みです。期末テストに全力を注いでくださいね、応援していま。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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