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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   落ち葉の放浪   おむふ

 かつて梢にて居を構えていながらも今は住むところとてなく、物悲しく舞う。それこそが落ち葉であろう。そう、秋の時分色褪せ、妙にあでやかなえもいわれぬ色に染まるあの落ち葉である。当然人それぞれであろうが多くの人は落ち葉を煩わしく思い、焼却炉の業火へと落ち葉をいざなってしまう。もちろん中には秋の風情の一興として和やかに目にする人もまたいるであろう。だが、路にて奔放に舞踊をたしなむ彼らをいぶかしく思う者がいるのは世の常である。
 落ち葉といったとて単なる風情ではなかろう。時に妖魔のごとき者ともなるのだ。今日において路の多くはアスファルトといったものがほとんどをしめている。その路へと街路樹が衣替えのためと脱いだ華やいだ服の飛まつである落ち葉があったらどうであろうか。清掃の為に多くの労力が費やされる上、人の歩みをさまたげることともなる。鼻持ちならぬ匂いまでもが路傍にまで漂う。当然、衛生面においても良いとは言いがたいものを呈する。いくら、落ち葉といったとて危険をはらんでいる。こういったように不必要なものが行きかう例は多くあるであろう。やはり、必要とされないものは別段躊躇することなく取り除けばいいのではなかろうか。
 だが、落ち葉が不必要とするのは狭量な見方に思われてならないものである。あの、琥珀のような淡い朱に染まりしものは生の飛脚でもあるのだ。骸となった落ち葉とてそれなりの養分を血肉に交えている。それ故、土は豊麗に培われコガネムシといった類のものも落ち葉を石杖として私腹を肥やしてきた。そう、いわゆる食物連鎖である。一見したところ無駄に思われるものとてそれなりのなにかしらをになっているのだ。
 あるものを不必要として排除するのも、どれも清冽な役目があるとして活かすのもどちらも切実なものである。その調和をほどよく保っていくのが懸命なものに対する接し方ではなかろうか。

   講評   koni


【複数の意見】 落ち葉に対しての見解を意見化したところがいい。一般的な意見として挙げることができました。

【体験実例】 それぞれの意見の後に、たっぷりと説明をしたところもいいね。説得力が増す説明です。全ての実例を落ち葉で通したところも深い。大した話ではないんだけど、雨上がりに、落ち葉でひきつめられた歩道を自転車で走っていて、ブレーキをかけた時、落ち葉ですべってこけて怪我をしたことがあるなぁ。この話を読んで思い出しました。

【ユーモア表現・名言の引用】 「琥珀のような淡い朱に染まりしものは生の飛脚でもある。」という文は特にすてきだね。

【総合化の主題】 意見文の基本にそった結論の書き方ができたね。「懸命なものに対する接し方」というところは、いろいろなものが想像できて深く考えさせられるよ。よいまとめです。

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