対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
小1から作文力を上達させれば、これからの入試は有利になる。
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   みんなもってるプレゼント   ひろみ

 もみじがたくさんまい散っていた。まだ幼稚園に通っていた私達は落葉をふみながら目的地へ足を運んだ。そこは幼稚園が持っている里山である。
 真っ赤なもみじのじょうたんに私は見とれていた。何度見てもあきることはなかった。なぜか足が宙にういている様な気がした。私が見ていた風景が遠ざかっていく。
 「ズボリ」
 私は何が起きたのかわからなかった。あのもみじはどこへ行ったのだろう。空一面の青色は?。今見えるのはほら穴だけである。目の前は真っ暗だ。すごく心細かった。先生の声がどこからか聞こえてくる。
 「大丈夫?」
 やっと穴からはい出ることができた。心の中にあたたかいものを感じた。そして、みんなに追いつこうと思って立ち上がると、足にいたみを覚えた。虫にでもかまれたような感覚だ。おそるおそる左のひざを見ると・・・。
 落葉に見とれて、「おーち(血)ばみれ」
 私はあまりのおそろしさに声もでなかった。必死に泣くのをこらえた。目のふちになみだをためて。私は人前では絶対に泣かない。泣いたとこで、いたさは変わらないのだから。母の性格を受けついでいるのかもしれない。あまりのきずの深さでパックリと口を開けているひざを見た先生もどうようしていた。その思いは今でも私の心に深く刻まれている。そのきずは一生きずになってしまった。母は
 「女の子なのにひざにきずができてしまったらミニスカートをはく時に目立ってしまうね」
 と心配していた。
 私は、けががすごく重要な役割を果たしているのだと思う。なぜなら、人間を強くしてくれるのだ。けがとは自分一人でたたかわなければならない。たたかうことで心も体も強化されるのだ。一生きずができてしまった時はすごく悲しかったが、今なら、あのころのがんばった様子をずっと覚えさせておいてくれるのだと別の面を見ることができた。
 誰もが持っている心を強くさせてくれるプレゼント。さて、誰にとどけられるのだろう。

   講評   hira

ひろみちゃんの作文を読んで、重松清さんが「人間の人生には凸凹があり、病気は凹だが、その凹がその人の人間性を深める」というようなことを書いていたのを思い出しました。血の赤は痛そうですが、色彩的にも鮮やかな作文でした。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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