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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   言葉に頼らないコミュニケーション   たけたけ

 日本人は、「見る」ということに重要な意味を与える。日本人のカメラ好きも、絵葉書では満足できぬ「自分の目で見て確かめる」実証主義のなせる技なのだ。西洋では、喋ることが社交の基本になっているが、日本では言葉ではなく、物理的対象物をともに見ることで社交が成り立つ。月見・花見・雪見と言った集団的な観賞行為は、じつは、日本文化の中でのコミュニケーションの方法でもあるのだ。花見が最も庶民的なマス・メジャーであるのも故なしとしない。言葉に頼らない日本的なコミュニケーションの仕方は良い。
 第一の理由に、同じものを見ることで成立するコミュニケーションは一体感があるからだ。お祭りを例にとって考えてみる。違う年代、性別でも、お祭りのときは誰もが同じ気持ちで楽しくなれる。お祭りのときに辛かったり寂しい思いをするような人は、普通はいないと思う。僕の学校では、ついこの前体育祭(運動会)があった。普段はあまり話さない人とも、息を合わせて応援する。特にリレーや徒競走では、「いけー!!」とか「がんばれー!!」とクラス一丸となって応援した。この一丸となった応援がどんなスポーツでもやる人の心を奮い立たせ勝利に導いてくれるのだと思う。まあ僕のクラスはビリだったのだが(笑)
 そして第二の理由は言葉に頼らないコミュニケーションをとることによって相手のことを思いやる優しい気持ちが生まれるからだ。月を見る時に、「あの月はクレーターがウサギみたいに見えるところがかわいくて黄金色に輝いているところがかっこ良くてきれいだね。」というと、説明だけで堅苦しくなってしまう。しかし、「きれいだね。」と一言で言うと、相手の想像を優先出来て優しくなれる。
 確かに、言葉でのコミュニケーションも大切だ。相手に誤解されることはないしなんといっても分かりやすい。しかし『トランプが生きているのは、それが実際のプレイヤーに使われているときである。』という名言があるように僕たち日本人がずっと大事にしてきた言葉を使わないコミュニケーションの仕方も大切だと思う。

   講評   kira

 たけたけくん、こんにちは。言葉をつかわなくても通じ合える関係はいいよね。日本人は、やさしい民族といわれます。これは、海で囲まれた国の中で心を通わせる緊密なコミュニケーションを伝統にしてきたからこそ、できあがったものでしょうね。まして、日本は四季のはっきりした豊かな自然を持っています。自然を楽しむことも、心でわかりあうことを助けてきたように思います。春はわくわく、夏は情熱的に、秋はものさびしく、冬は耐える。みんな共通の感覚です。
 第一の理由は一体感ですね。秋祭りでは、みんなうきうきした気分になります。太鼓の音をきくと、集まるような気持ちがありますよね。体育祭も一丸となったよろこびを感じられます。
 西欧の国々は国境が陸続きで行き来が多かったから、理解しあうためにたくさん語って自分を説明する必要性にさらされてきたようです。そういったことは、国際化が進む中で日本にも求められるとは思います。しかし、そうだからといって、全部説明しきるような関係になってしまうのはさびしいものです。お月さんをあまり語りすぎると、興ざめですね。
 日本らしい、やさしいコミュニケーションを大切にして、できればひろめていきたいですね。


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