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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   意義の崩壊   カエル

人間にとって学問とは何だろうか?よく高校生や中学生は「勉強をする意味が分からない」「この勉強をやって将来何の役に立つの?」という疑問を持つ人が多い。確かに、高校での数学や物理、化学を実生活で使うことはまずない。せいぜい使っても小学校卒業レベルである。漢文や因数分解、熱力学なんてものは一切使わなくても生きていけるのだ。しかし、それは合理主義すぎないだろうか?自分達の生活に役立つもの以外は必要ないと10何年しか生きていない若造にわかるわけないのだ。それに、教育がなんであるかをしっかりと教えない、教えられない教育者たちにも問題があると私は思う。だから、私は学問の意味、意義を受容できない社会に問題があると思う。(社会問題の主題)
そのような社会になってしまった第一の原因はゆとり教育という制度にあると思う。(複数の原因1)元々教育というのは、先人達の知恵を後世にまで伝えていくことが目的であって、最近ではその意識が薄れてきているのではないだろうか。先人達がどれだけすばらしい理論や公式を世に残したのか、そしてそれらを私達がさらに発展したものに変えていこうというのが教育のあるべき姿だと私は思う。しかし、昨今のゆとり教育では「科目を減らしましょう」「時間を減らしましょう」と教育の真の目的がなんたるかを分かっておらず親御さんの顔だけを見て取り組んだ結果が今の日本の学力低迷につながっているのだ。そんななかで教育を受けてきた私達高校生や大学生が、「学問の意味」を理解できるわけがないのだ。
そして第二の原因として、現代の日本がいや、世界全体が病的なほどの学歴社会だからである。(複数の原因2)10年も前から言われ続けている良い男の条件に「三高」というのがある。「高身長、高学歴、高収入」だ。(長文実例)そう、昔から高学歴というのは人間の価値という部門で永遠のステータスであり、それさえあれば「くいっぱぐれる」事は無いという反則的な力をもっているのだ。その力を得るためによりレベルの高い大学に行きたいと一生懸命勉強する人間に、先人達がどのような苦悩を抱えながら教科書に刻まれている公式を考えたかなんてものを、まったく意に介さないのは当然の結果だろう。そんな合理的にしか考えられない人々に「学問の意義」なんてものは戯言としか響かないのである。
確かに、与えられたものを一心不乱に理由も考えずにやることは、目の前の目標に向かって努力している結果であり、それが世間の役に立つこともしばしばある。だが、「古きを知って新きを知る。」のように新しいことを知ろうと思うのならば過去の背景や、情景を読み取ることが必要不可欠なのである。それらを踏みにじって我が物顔で公式を使用する輩には、学問の意義というものを理解することはできないのだ。そういう人が世の中にはたくさんいる、もしかしたら「ゆとり教育」を考え出したのもそういった人々なのではないだろうか。けれども、もしそのような過ちを犯してしまっていたものでも、いまからでも考え直すべきなのではないだろうか。人間にとって学問とはなんであるかということを。

   講評   mae

 「学問に意義を見出せない」、おもしろいところに目を付けました。なぜ学問が必要なのか、ともすれば哲学的(笑)にもなるテーマを、自分なりに上手に論じました。さすがですね。
 「学問に意義を見出せない」その原因は「ゆとり教育」と「学歴社会」。考えてみれば、私たちが生きているこの社会というのは先人の知恵と工夫の積み重ねの上に存在しているのですから、理論上(笑)は未来になればなるほど学ぶものは多くなるということになります。言うまでもなく、私たちはそのピラミッドの一番上の階層にいるわけですから(今はね)、その階層にいる私たちが、それを支える先人たちの知恵を学ばなければならないのは当然なわけで、そう考えると「ゆとり教育」というのには無理が生じそう、と、少々強引な展開でも持論を肉付けするために色々な方向から考えてみましょう。
 「学歴社会」は、学問(教育)の問題を論ずるのには欠かせない問題ですね。これもうまくカエルくんの持論を裏付けていました。すばらしい。
☆長文実例を引用する際は「○月○週分の長文によると」のような感じで書いていきましょう。


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