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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   名前に願いを託して   ことのは

 わたしの名前は○○という。○○という名前の人は多分、そうそういないと思っている。学校にも近所にもいないほど、珍しい名前だからだ。たとえ読みが「○○」だとしても、このような漢字で書く人はいないのではないだろうか。
 わたしの母が当初考えていた名前は「●」と書いて「○○」と読む、やはり珍しい名前だ。●という字は○○の●の字である。○○は美しい色だし、新緑のきれいな五月に生まれたのでぴったりだと思ったという。しかし生まれてきたわたしは、●という名前が合わない顔だったので変更することに。それで母が呼ばれていたあだ名である
「○○ちゃん」
から取って、「○○」に決定したらしい。叔母さんには
「まあ、よくばりな名前ねえ。」
と鼻で笑われたそうだが、確かによくばりである。
絶世の美女か美男子につける名前ではないか。親が期待を寄せているような漢字の組み合わせなのだ。わたしは●より○○の方がいい。●は漢字がきれいだが可愛らしくはないからである。ネーミングセンスのない親で、変わった名前をつけられては困る。その点、わたしの両親は「○○」という名前をつけてくれたので一安心だ。
 母の名前は「○○」だ。祖父母は願いを託さず単純に
「祖父が○○だから」
という理由でつけたらしい。最初は祖母の「○○子」から取って「○○」(どういう字を書くのかは不明)にされそうだったのだが、祖母が
「○○じゃ○○ようでいやだ」
と猛反対し、○○は却下されてしまったと言う。ただ親や親族の名前をもらって来て、適当に最後に「子」や「美」をつけるのが祖父母の名付け方のようだ。一方、父の親戚は昭和元年に生まれたので「○○」とか、昭和五年に生まれたから「○○」とか、かなり無茶苦茶なネーミングだったらしい。それで生年は分かるので、いくらか便利だとは思う。しかしもう少しセンスのある名前はつけられないだろうか。
「健やかにたくましく育ってほしい」
「優しくて明るい子になってほしい」
などと、願望を名前にこめればその子に似合う名前ができるはずだ。平成九年生まれだから「平九子」だとか、「平九朗」と言われても困る。願いがこめられた名前には力が宿っている。そんな名前をつけられた子どもは、名前どおり成長する。もし名前が思いつかなくても、ずっと考え続けていればいい。窮すれば通ず。悩んで悩んで悩むと解決の道が開け、いい名前が思いつく。そんな決め方をすればその子にぴったりの名前がつけられるはずだ。
 人間にとって名前とは力を持っているのだと分かった。名前に「優しい」という漢字が入っていれば性格が優しい子になるし、「明るい」という漢字が入っていればいつも明るく元気な子になる。わたしの周りはみんなそうだ。両親が苦心の末考え出した名前の子は自分の名前が好きである。習字で自分の好きな漢字を書いて下さいと言われたら、自分の名前をすぐに書くだろう。わたしも「●」と「●」の字は好きだし、習字でもその字を書くのには精一杯時間をかけている。だが近頃少しおかしいと思うような名前の人が増加してきた。語呂合わせのような名前や、いかにも名前につけそうにないようなものなど。
「これってどう読むの?」
というような読解不能の名前もある。今の一年生や小さい子達にも結構いるのだ。もしわたしが誰かの名前をつけるようなことがあったら、時間をかけて考えて、願いのこもった名前をつけてあげたい。

   講評   kaki

すてきな題名になったね。


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