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　　　言葉の役割　　　ショウ

　人は他人に出会うと心の中に警戒、不安、恐れなどの気持ちが生まれる。これを和らげるのが、俗にあいさつと呼ばれる言語行動の主な役目である。具体的な情報伝達を目的としない、したがって内容があまり重要でないタイプの言語活動は、あいさつのほかにも、雑段やおしゃべりなど、一般には無意味で無駄な時間つぶしと考えられているものに見られる。このような場合、言葉を交し合うこと自体が互いの心を通わせ一体感を高める働きをする。交話機能というのは、対話者どうしの一体感や帰属意識を高める潤滑油としての働きなのである。
　確かに人の気を楽にすることができる言葉を活用していくことは大切だ。何の準備もできていないところで急に質問されたり指図されたりすると、全く対応できないことがある。以前僕は委員会の仕事で、先生に突然後ろから「これやって」と声をかけられた。心の準備をしていなかったためにしばらくわけが分からなかった。もう一度言われると理解できたが、名前を呼ばれたり、「ちょっと待って」と呼び止められたりするだけでずいぶんと理解できるのだな、と驚いた。
　しかし、その役割だけで全く中身のない話になってしまってはいけない。いくら心の交流をしても、本題になかなか入らなければ相手は気が抜けてきてしまう。例えば、長電話がよい例だ。ちゃんとした話題について話し合う長電話もあるが、多くは、別にそこまで急いで伝える必要もなく、また、話し合う必要のないことだ。本題に入る前の雑談と思いきや、そのまま電話が終わってしまうこともある。相手の都合で本題に入る前に電話を切らなければならなくなることもある。僕の祖母はよく長電話をするが、会話を聞いていても何を伝えるために電話をかけてきたのかわからないことがある。コミュニケーションをとるために電話で雑談をしているのかもしれないが、祖母も用事があるのに相手から一方的に話しかけられていて本題に入れないときがあるという。
　言葉には、心の交流をするための役割と、内容を伝える役割の両方がある。しかし、もっとも大事なことは、その二つの役割がそろってこそ、初めて会話が成り立つということである。「トランプが生きているのは、それが実際のプレーに使われているときである」という言葉があるように、いい中身をもっていてもそれを活用できなければ意味がない。コミュニケーションをとる役割と、内容を伝える役割を両立させていくことが大切だと思う。

　　　講評　　　kei

言葉の役割というのは大変奥の深いものです。ただ単に情報伝達の道具である場合もありますし、心と心の架け橋になる時もありますね。
　また、言葉自体に力があります。同じことを伝えるにも「肯定的な言葉」を使ってプラス表現をすれば、希望につながるし、「否定的な言葉」を使ってマイナス表現すれば、攻撃的になったり希望を失ったりします。
　言葉の役割というのは大変奥の深いものです。ただ単に情報伝達の道具である場合もありますし、心と心の架け橋になる時もありますね。
　また、言葉自体に力があります。同じことを伝えるにも「肯定的な言葉」を使ってプラス表現をすれば、希望につながるし、「否定的な言葉」を使ってマイナス表現すれば、攻撃的になったり希望を失ったりします。
　どういう言葉を使ってどんなふうに話をするか、時と場合によって話す内容を考えたり、相手が気持ちに余裕が持てるように名前を読んだり一呼吸おいてみたりできる人になりたいですね。
●適切な体験実例を交えて、ショウ君の意見をしっかり述べられました。
●名言の引用もうまくできています。
★構成図を見ることができませんが、しっかり書いていますか。言葉の森の作文にだけではなく、いろいろな勉強に活用できます。とくに高校生、大学生になってレポートや小論文を書くときには大変役にたちます。是非、構成図を書いてくださいね。