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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   不器用人間   紫式部

 日本とは比べ物にならないほどの安さで、地下鉄、市電、市バスを利用でき、遠い町に行くことのできる国が現実にある。交通費が簡単に千円を越してしまう日本の現状ではなかなか遠くまで足が伸びず、『低価格の交通費が遠くの人々を結びつける』という文句の信憑性を裏付けている。また、作者は海外で乗る人も少ないであろう深夜にひっそりと運行するバスや、同じく深夜に寝ないで待機する町医者の姿を見て、市民に寄り添う暖かい社会という幸せの形を目にする機会があったという。さらに作者は西ドイツの行動時間と日本の労働時間の差を上げ、日本の国の家庭生活や地域社会よりも労働時間を優先する日本の社会を憂えている。確かに、こうしていろんな事情を掻い摘んで並べて見ると、日本の社会が家庭生活に与えている負担を含めたマイナスの面が浮き彫りになる。中でも、労働時間については「過労死」が多発する日本では注目すべき問題に思う。何よりも労働時間を優先するゆとりのない日本の社会は問題である。
 原因の一つ目は、会社が仕事優先だという価値観を社員に植え付けているからだ。また社員のほうにも会社の面子を立てることによって自分の面子も守るという義務のようなものも生じている。この二つが相互して人は雁字搦めになり、労働時間の長い国日本を作り上げているように思う。家に帰っても、親は働きに出ていて、寝ている時に帰ってきて寝ている間に働きにいてしまう親を持つ子供は少なくはない。いつのまにか親との距離が離れて、心も少しずつ離れていってしまう。人を幸せにするところのはずの社会が人を悲しませている事実は重く、変えていかなくてはいけない現状である。
 原因の二つ目は、会社という一つの組織は、丁度動物が群れで行動するように、集団としての都合を重視する傾向にあることだ。先に述べた面子を立てるということにも繋がるが、会社という集団に属しているときの社員は家庭よりも会社、自分よりも会社。というふうに割り切った優先順位を付けて仕事をしている。それがひとつの会社という集団に異常なまでに帰属して、ほかの事をおろそかにしてしまう人を生み出すのだ。また、アメリカのように優秀な人材は様々な会社を渡り歩き、自分のキャリアを積んでいくのに比べて、日本は終身雇用制によって狭い世界での移動が基本になる。自由というには程遠い労働の現状がそれらによっても作り出されている。
 確かに、帰属する集団に対して信用できたり、思い入れを持てる事は大切である。しかし、日本はそれを強制しているようにも見える。それはやめるべきだし、人は社会のために生きているのとは別に、自分のために生きていることも忘れてはいけない。自分の幸せやを省みれない人は、社会の幸せは願えないのかもしれない。人はそんなに器用にはつくられていないから。

   講評   kira

 紫式部さん、こんにちは。日本の現状にくらべて、うらやましいくらい人間的な生活を送っている国もある。こう言うと、隣の芝は青いといった羨望や、西欧かぶれに受け取られそうですが、比べずとも働きすぎは問題です。
 仕事優先の考え方と集団行動の重視をあげたのですが、両方とも職場の論理で書いていったため、日本の企業批判のようになってしまいましたね。仕事優先は、競争社会で生きぬく為の論理であり、集団行動の重視は日本的な社会(世間とよばれるものでしたね)の仕組みによるものではないかと思います。このように角度をかえてみるといいですね。
★自然科学実例は、少しくわしく事例にふれましょう。
 ひとりひとりが人間らしく幸せを追求していくことが、社会の幸福につながるようになるべきですね。

 

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