フィンランドの15年にわたる調査で、細かく健康管理をしたグループの方が、健康管理をしなかったグループよりも病気になった人の数が多かった、ということがわかったそうだ。過保護が依存心を生み、生きる活力を鈍らせるという例は、子供の育て方にも当てはまるのではないか。子供が健やかに成長するためには、原始時代からの人類の全課程をたっぷりたどることが必要なのだ言えるだろう。
確かに、過保護や管理のしすぎは、生きる力を弱めてしまうという点でよくないと考えられる。私の従弟は、
でもほとんど半袖短パンで、真冬でもその上に上着を一枚羽織るくらいだ。ところが、それでもほとんど風邪を引いたこともない。小さいころから、外見的にもまるで昔話の『金太郎』のようなイメージの子だった。(笑)やはり薄着は免疫力をつけるのに役立つのかと思った。
「○○は風邪引かない」という失礼な言葉があるが、小学校時代から周りの男子などを見てみると、確かに着る物や行動などが無造作で、気を使っていないように見えるタイプの方が、しばしば健康である。
しかし、保護や管理が必要な場合もある。今、新型インフルエンザが流行拡大中である。私の学校でも、まず9月にいきなり学校閉鎖になり、その後も学年閉鎖、学級閉鎖が相次いだ。文化祭が一般公開中止、初日の午前中のみの縮小開催となったときには、悲しくて残念でならなかったが、感染拡大防止のための措置なのでしかたがない。諦めるよりほかになかった。こんなときに強行するわけにはいかない。学園祭の感想文に悔しい残念な気持ちを書いたところ、担任の英語の先生から“It requires more courage to go back than to go ahead.”とコメントが返ってきた。そのとおりだと納得せざるを得ない。
今も、消毒用のジェルが学校の玄関に置いてあり、比較的真面目に中1が使っている。9月1日に、いきなりジェルが6個ぐらい並べてあったのには驚いたが、みんな面白がって何回も押していた。帰りには、ほとんどなくなっていた。私たちは、今では全く使わずたまにふざけて10回ほどプッシュするほどである(笑)。しかし、このような備えがあることは良いことだと思う。
つまり、保護や管理それ自体がよいのでも悪いのでもない。大切なことは、それらが適切な時期に適切なやり方でなされることだ。「大切なのは健康らしい外見ではなく健康自身である」という名言がある。一見、大事に保護して万全の備えをしているようであっても、それが真に健康のためになっていなければ意味はないのだ。保護や管理の中身を、その対象を丁寧に見つめながら考えていく必要がある。
(総合化の主題)