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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   栄光と憂い   カエル

「特許」patent…新規で有益な発明について独占権を付与すること。(書き出しの工夫)
なにか新しいものを作り出したとき、発明者が持つ事のできる権利でその特許が認められると無断で同じものを作ったり、その製法は使えなくなる。特許を獲得できるような技術は社会全体に得をもたらすものが多い。その例としては、ノベールの作り出したダイナマイトが挙げられる。ダイナマイトがあることによって、ツルハシだけでは何時間もかかっていた工事が一瞬にして終えることだってできるのだ。このように、特許を獲得できるものには社会的に良い面がたくさんあるのだが、「特許」という縛りがあることで社会的な得になっていないケースもある。その特許を使うためには使用料が必要で、いくら世紀の大発明であっても発明者が生活や地位の「安定」を望むことで社会的な恩恵とはならなかったものもある。日本でだって、鎖国という形で新しい文化や、役に立つであろう製品などを受容し変化することを、畏怖し自らの「安定」のために排除していたこともあった。世の中は、変化よりも安定を求める傾向にある。だから私は、安定を求めすぎる日本の社会には問題があると思う。(社会問題の主題)
まず、第一の原因として(複数の原因1)今まで日本という国は、戦争や内戦などの混乱が続いてきたため、その反動として「安定」な生活を欲するようになったからだ。日本という国は、歴史の教科書を開けてみると戦国時代という時代があるほど、戦というのはごく身近に当たり前のようにあったのだ。そして、今となっては歴史という言葉で語られるようになっては来たが「戦」がなくなってきたのもここ数十年の間で、百年前はまだ戦時中だったのだ。そんな中で、人々は戦争というものはいかに無益で、悲惨なものか心にしみたのであろう。だから、そんなことを二度と繰り返さないためにも変化よりも「安定」をえらんだのだ。
第二の原因として(複数の原因2)日本は島国であったために無理に変化をしなくても、生活することが出来たからである。陸続きの大陸では、すぐ隣の国は全く異なる文化だったり宗教だったりした。しかし、陸続きであるために異文化や異民族との交流が行われやすかったのである。その点日本は、海に囲まれているため他国の文化と触れ合う機会がなかったのだ。だから日本は独特な文化や進化の仕方をしてきた。ほかの島国でもそうだ。オーストラリアやガラパゴス諸島といった島国は独自の生態系を保ち、大陸では見られないような生物が見られる。(自然科学実例)島国というのは、必要以上の変化を必要としないのである。
確かに、ノーベルの開発したダイナマイトは「安定」より社会への貢献を重視し特許を申請しなかった為に工事の為だけでなく戦争に使われてしまいノーベルは苦悩し続けたという話も残っているほどだが(反対意見への理解)、「大切なのは何を使うかではない、どう使うかである」という名言のように(自作名言)、使い方次第で人々に安心を与え社会に貢献するものにもなりえるのである。そのためにも、たくさんの人に知ってもらい人々の生活に変化を与えることが必要なのである。人間というのは変化を恐れ、怖がり、避けて歩く。だがそれではいけない。人は変化を遂げてこそ成長し学ぶのだから。

   講評   mae

 「安定」という言葉は、安らぎにも通じます。大人になればなるほど、人間は「変革」を嫌う傾向にあり、戦後、自民党が長期間に渡り政権を担ってきたというところにも顕著に表れています。しかし、安定ばかりを求めていては、そこに成長は生まれません。最後の結び、「人は変化を遂げてこそ成長し学ぶのだから」という言葉が非常に生きています。素晴らしいまとめでした。
■構成(複数の原因一、二) 特に原因一の視点というのはいい視点でしたね。確かに、日本は今でこそ平和な国となっていますが、実は第二次世界大戦が終わってまだ100年もたっていません。戦争による、ただ一つの被爆国、日本。変化を求めて起こった戦争が引き起こしたこのような悲惨な出来事を繰り返したくない→安定を求める……説得力のある展開となりました。
☆四段落、反対意見への理解としてのノーベルの例はすばらしかった。ここに実例が入ることで、更に説得力が増しました。素晴らしい感想文になりましたね!


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