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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   少しの余裕が「ポイ」を救う   きとみ

 近頃、登山道や海岸など観光の場でのポイ捨てをよく見かける。世界遺産がある地でもこのようなポイ捨ては増えているという。私はポイ捨てはよおくないことであり、決してしてはいけないことだと思う。
 そう思う第一の理由はポイ捨ては悪い連鎖を引き起こし、間違った常識を植え付けてしまうからだ。私が家の近くの公園にいたときのことだ。友達と待ち合わせのために訪れたその公園は、緑が多く木々や花々もきれいで、若者に人気の場所だった。その中で、煙草の吸い殻や空き缶などをゴミ箱に入れず、ベンチにおいたまま帰る人たちがいた。私はそれが気になって、その日、ベンチの上のゴミを捨ててから帰った。しかしまたある日にその公園を訪れたところ、今度は「ポイ」とゴミを投げ捨てる人がいた。草むらの中に捨てられたのはペットボトルだったのだが、そのすぐ近くには空き缶やペットボトル用などのゴミ箱が設置してあったのだ。そのとき、ふと気がついたのは視線だった。小さな子供が遊具に乗りながらこちらををじっと見ていたのだ。「何してるの?」そう目が問いかけているようだった。このゴミを捨てた人はこの子の視線に気付いていたのだろうか。その子がポイ捨てを悪いことではないと思ってしまったとしたら、またそれを見て覚える子がいるはずだ。この悪い連鎖が、常識を壊してしまう。さらに「粗大ゴミ廃棄」など法律にかかる犯罪などもおこってしまうのだ。
 二つ目の理由は、動物が食べてしまったりして、命の危険があるからだ。いま、地球温暖化で緑が減り、えさがなくなった動物たちが人間のすぐ近くまでおりてきて、人間の食べ物を食べているという現象が起こっている。動物に、細かい食べ物の判別は期待できない。ゴミににおいなどが残っていると、捨てられているゴミでも体に害のあるものでも、平気で食べてしまう。しかしその結果、死因を調べる解剖などで胃の中にビニール袋が詰まっていたり、のどにプラスチックがひっかかってしまったりと、動物の死亡が多くなってしまった。天然記念物の動物や、ふもとに降りてこない貴重な動物などもたくさん死んでしまっている。今日本の年間ゴミ排出量は5020万トン。この文を書いている今この瞬間にもさらにゴミは増え続けている。ゴミを「なくす」というのは不可能に近いかもしれない。しかし、ゴミはリサイクルとおいう方法でよみがえることができる。きちんと分別すれば、またゴミは使用することができるのだ。しかしポイ捨ては分別もされていないし、回収もされないため、たまっていく一方でなにも利用できないのだ。このような理由からも、私はポイ捨てはよくないことだと思う。
 確かにゴミは邪魔になるし、いちいち分別するのがめんどうくさいという人もいるだろう。しかし一人一人が気をつけなくてはポイ捨ては止まらない。次世代へとどんどん繋がってしまうのだ。私たちは後世に悪い文化を残してはいけないと思うのだ。心に少しの余裕がもてれば、すぐ近くにゴミ箱があるのにも気づけるし、純粋な子供の目線も感じることができる。今の世の中はこの余裕がなくなりつつあるのかもしれない。ちゃんと捨てよう、ちゃんと分別しよう、では疲れてしまうかも知れないが、まずは心に少しの余裕をもつことが大事だと思う。私も未来の事を考え、いつも心に余裕を持って、周りを見渡しながら生活できるようになっていきたいと思う。

   講評   inoko

 きとみさん、こんにちは。
ポイ捨ては恥ずべき行為であることは誰もがわかっています。しかし、公共の場でのポイ捨ての残骸を多く目にするのはなぜでしょう。人間の弱い部分のあらわれなのですね。

☆ 二つの理由と実例が、今回も丁寧に書けています。
まず第一の理由。ポイ捨ての悪い連鎖。これは、最近のTVコマーシャルでも同じようなことをさかんに放送しています。子どもの善悪の判断は、大人の言動から学ぶものです。手本となるべき大人が非常識なのでは、日本の将来を悲観せざるを得ませんね。
第二の理由では、動物に与える影響をあげました。データ実例にうまくつなげることができましたね。
最後のまとめでは、心の余裕を視点に入れしめくくりました。自分を見つめる余裕。周囲に目を配る余裕。確かに現代人には少し欠けているかもしれません。




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