対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   努力の先には   あまぐり

「ねぇ、ねぇ、テキスト何ぺージまでいった?」
 最近、僕と友だちとの間で流行していることがある。僕が通っている塾でのできごとである。ことの発端は塾の先生の一言。
「え〜、宿題の範囲を終えた人はテキストを先に進めていいことにしま〜す。」
僕の塾では「テキスト15ページ〜18ページまで宿題〜。」というように宿題が出される。その範囲を終わった人は先のページもやってもいいということだ。僕はその先生の一言を聞いて「よーし、いっぱい進めてD君やK君に自慢してやろっ。」というようなことを考えた。僕は家に帰って階段を勢いよく駆け上がり、自分の部屋に閉じこもった。あいにく、その日は宿題が多く出たため終えるのに1時間程度かかってしまった。僕はD君やK君に「どうだっ。」て見せるためだと考えて宿題をこなしていたら、いつも「うわぁ、めんどくせぇ。」と思ってやっていた宿題も全く苦痛に感じなかった。「ふぅ、終わった。こっからだ!!」僕は気合を入れペンを持ち直した。「いっくぞ!!」カリ、カリ、カリ。「□1の「1」は……□2の「4」は……」僕は黙々と一人でテキストの問題を解いていた。時計は夜の10時30分を指している。「ふぅ、もうそろそろやめるかぁ。何ページ進んだかな。おっ、15ページも進んでるじゃん。頑張ったなぁ。」なぜか達成感と脱力感にあふれていた。「ふぁ〜、疲れた〜。今日はもう寝るかぁ。」僕は明日のことを想像して眠った。 「D〜〜君K〜〜君。」僕は学校に入るなり二人の名前を呼んだ。「な〜に?」「おい、おい、これ見てよ!!」僕は勢い良くノートとテキストを開いた。「昨日でテキスト15ページも進んだんだ。すごいでしょ〜。」だが2人の反応は薄い。「おまえ、そこまで進めたんだ〜、俺なんか18ページも進めたし!!すごいだろ〜。」その瞬間昨日の努力はなんだったんだ、というように思えてきてしまった。「じゅ、18ページ?すごっ、ちょ、ちょっと見せてよ。」信じられない! すごすぎる! 僕はすごく動揺した。「はい、これ証拠。」僕は友だちのノートに目を通した。うわぁ、ちゃんとやってるし……。しかもあんまり間違って無いじゃん!! 動揺を隠し切れない僕はK君に聞いた。「Kはどれくらい進んだの?」「えっ?俺?えーと16ページだよ。」「えっ、まじで?俺、昨日めちゃくちゃ頑張ったのに……。」僕だけ進めていたのかと思っていたのに僕以外の2人が進めていたなんて……。しかも、ページ数も抜かれてしまった。僕は、やり場の無い悔しさを感じた。「じゃあ、いいよ。今日3人で進めて明日見せ合おうぜ。」僕は意地を張って勝負することにした。絶対に勝ってやる。僕はそう心の中で決心した。その後、僕は友だちにばれないように学校の休み時間、いつもやるサッカーを断って教室の端でこつこつテキストを進めていた。その間友だちはサッカーをしている。「よし、4ページ進んだぞ!! これで友だちは抜いた!」キーンコーンカーンコーン。チャイムがなったそろそろ友達が帰ってくる!僕はそう思いテキストとノートを勢い良くかばんの中にしまった。「では、6時間目はこれで終わります。帰りの支度をしてください………、さようなら。」僕は教室の扉を開け廊下を思いっきり走って家に向かった。家につくなり2階にかけあがり自分の部屋に閉じこもった。カリ、カリ、カリ、カリ、カリ。時計は夜の8時を回った。そろそろご飯たべようかな。と思った時「ごはんよ〜、降りてきなさ〜い。」「わかった〜。」僕はご飯をいつもより早く食べ2階に上がった。それから3時間後。友だちを抜くためだ!抜くため!と思ってやっているとやはりぜんぜん勉強が苦痛ではなくなり時間が早く進んでいるような気がした。「ふぁ〜、何ページ進んだかな?おっ、26ページも進んだ!! やった〜! これで友だちを抜いたな!!」自分の中ではそう決心していた。その日は前日以上に達成感と脱力感、疲労感や満足感にあふれていた。「ねぇねぇテキスト何ページまでいった?」翌日は勝利を確信していたため、動揺せずに聞いた。「え〜と昨日は13ページだよ。おまえは?」「俺はね〜26ページ進めたよ〜。」友だちがかなり動揺している。勝った!! 僕は満足感でたくさんだった。「い〜よ、明日も勝負ね!!」「い〜よ!」僕と友だちの間ではこのような会話を日々繰り返している。このように、僕らは切磋琢磨しあいながらお互い高めあっている。
 勉強を精一杯頑張る。スポーツを精一杯頑張る。精一杯頑張るということは努力をするということ。努力というものは人間にとって苦しいものである。だがそれを乗り越えると楽しくなってくるし苦痛に感じなくなる。そして、一人で頑張るよりも2人、3人で頑張っていけばお互い高めあうことができる。頑張ることは良いこと。人間は努力が嫌いだがそれを乗り越えると良いことしか待っていない。
 「え?今45ページだよ。そっちは?」
僕たちはテキストを進めることを通して知識と友情を深め合っている。(書き出しの結び)

   講評   jun

 2000字をこえるとはすばらしいですね。内容的にもとても立派な作文になりました。
 ライバルがいるからこそ、やる気に火がつき、つらい勉強も前向きにがんばることができるのですね。あまぐり君は、友人たちに負けまいと必死で勉強に取り組むあまぐり君の様子がよくわかりました。
 結びの「一人で頑張るよりも2人、3人で頑張っていけばお互い高めあうことができる」とはそのとおりですね。

■話の進め方も結び方も申し分ないのですが、「前の話」か「聞いた話」として別の話が一つ入るとよかったと思います。

☆彡 進級テストは合格です。おめでとう! ☆彡
                       

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