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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   道徳的な考え方   月下

 今日では、道徳的共同体をつぶしてきた法的社会がふつうの社会となり、国家となっている。しかし、依然として最小単位共同体の家族は残っている。しかし、法が現代の社会を動かすものとなっていることを認めざるをえないから、「情に流されまい」とする努力が必要となる。そして一方で、共同体意識の方は、今も人々の間にしぶとく生き続けてきている。 共同体の本質は感覚であるから、理屈、理論すなわち知よりも情が尊ばれる。この道徳的共同体社会と法的社会との間をゆれているのが、現代の人間である。しかし、孔子はそうではなかった。法が登場しはじめたころの、法優先は異端の思想であった社会の中で、孔子は、葉で、自分の父親の犯罪を証言した正直な息子を批判した。法がしだいに 社会的に認知されつつあった春秋時代に、共同体的原理を体現したのが孔子であった。しかし、前述のように、孔子のころは、まだ各種共同体が現実に機能していた時代である。仮に犯罪が起っても、共同体でそれを裁く長老は、いろいろと事情を考えて罰を決める。時には、罪として公にしないで、事件を闇から闇へと処理するだろうし、時には、皆への見せしめに、窃盗程度でも死刑にすることすらある。そのように裁量のはばが広い。その罰を決めるのは、共同体をリードする道徳にどのようにそむいているかという点においてである。また、共同体の指導原理は、法的社会の指導原理が法であり、道徳であるから、指導者はその条件として、法を守りかつ政策能力を身につけなくてはならないのと同じように、指導者はその条件として道徳性を身につけなくてはならない。私はやはり、時代が変わっても共同体的な生き方をしたい。
 そのためには第一に、法律よりも人間を見ることだ。この前、いつもサボらずに授業に出ている友達が用事があって学校の居残り補習に出られなかったとき、先生には言わずに残っていたことにしたりした。また、クラスで委員長などを決めるときに、いつもよくしてもらってる人に票をいれたりもしている。何も接点のない人より、普段から世話になっている人にやはり、票をいれたくなるものだと思う。このように、友情や、人にしてもらったことがあったら、その人のことをかばってあげたり、何かをしたりするべきだろう。
 また、第二の方法として、法律を執行する人の人間性も必要である。伝記によると、江戸時代にいた、大岡越前守という人は、子供を争う二人の母親に、「子供を引っ張って自分の元に引き寄せた方が本当の母である」と言って、痛がる子供の声に思わず手を放した母を本当の母と認定したといわれている。また彼は同心やその個人的な部下である岡っ引きたちに拷問の禁止を徹底させ、冤罪防止のための心得なども厳しく説いたりもしている。この人のように、判断する人の徳が高く、しっかりとした人間性をもっていることも大切だろう。
 確かに、法律に基づかない運営は不明朗なものになることが多いだろう。しかし、私たちはもっと共同体的な考え方を再評価すべきである。「家の批評ができるのは、建築家ではなくそこに住む人である。」という名言があるように、私たちはもっと共同体的に生活していくべきであると思う。

   講評   kira

 月下さん、こんにちは。頑張りましたね。

 今の世の中は規制や取締り厳罰化という流れで、どうしてそうなったのかという思慮に欠けているように思います。ばれなければいい、見つからなければOKとう卑怯な心が広がってきたのは悲しいことです。まず、人をみる社会にすることで法律よりも大事なことが見えるはずです。
 法をあつかう人の人間性も問われる問題になってきます。大岡越前はテレビで人情奉行として人気になり、いわゆる「大岡裁き」が有名ですが、現実の裁判ではどうでしょうか。裁判員制度がうまく稼動して、心が反映されるといいね。
 法もただのものさしではなく、心を磨く時の鏡であってほしいね。優しく生きられる社会にしたいものです。

 

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