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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   私の宝物   きれあ

3年A組は最高のクラスだ。
私にとっての大きな宝物、それはこの1年間一緒に過ごしてきた3Aの仲間たちだと思う。クラスの男子の半分以上がサッカー部で文科系の部活に入っている男子はいない、女子も体連の部活に所属している子が多い。そんなメンバーだからか、体育系のイベントになるととことん強くて、体育祭でも球技大会でも負けたことがない。だが、逆に勉強はできなくて、どの教科でも1学期の期末からクラス平均点は学年平均よりも低かった。だけど女子も男子も仲が良くて、特に女子の仲が異様に良くて、男子も明るい性格の人が多かったから、クラスの雰囲気はどこにも負けないくらいに良かったのだ。そんなスポーツ馬鹿で勉強ができない奴らが揃った、どこよりも楽しいクラスが、私は大好きだ。
どれくらい仲が良いのか、と聞かれればいくらでも答えられる。まず、席が隣とくっついている。小学校のように2人一組のように座っているのだ。中学の席順は大抵隣の席とは離れているものだろう。少なくとも私は2年間はそうやって過ごしてきたし、他のクラスを覗いてもそんな風に座っているクラスはない。なかなかそんなことに踏み切る勇気のあるクラスはないだろう。男子も女子も関係なく隣になる可能性があるのだ。仲の良い女子や好きな人と隣になれたらものすごくうれしいだろうが、逆に嫌いな人や苦手な人と隣になってしまう可能性もある。クラス全体の雰囲気が良くなければできる席順ではないのだ。また、イベント事になるとものすごく盛り上がるクラスだ。前にも書いたように特に体育系イベントは盛り上がった。体育祭は去年までつまらないと思っていたけれど、今年はみんなで協力して競技に出たり応援したりして中学に入って初めて体育祭が楽しいと思えたし、球技大会は男子も女子も本気で応援して、5つの枠のうち4つで優勝することができた。でも逆にスポーツ以外のことは効率よくできる頭の良いクラスではなかったようで、文化祭のクラス企画はは自分たちは楽しかったけれど、計画的に準備できなくてあまりよい出来とはいえなかったし、合唱コンクールも練習がうまくいかず失敗してしまった。しかしその全てが3Aなりに盛り上がり、本当に楽しいと思えるものになるのだ。そしてひとつまたひとつとイベントを重ねていくたびにまた一段と仲よくなれていく感じも嬉しかった。また、女子の仲の良さが本当に良いのだ。多分女子同士の中で嫌いな人がいない。女子全員でご飯を食べに行ったり遊んだりすることも多かった。それは本当に楽しくて、こんなに女子の仲が良くて全員で楽しめるクラスはもう二度とないだろうな、と思う。そして担任の先生も大好きだ。私の学校は担任2人制で、担任は国語の女の先生と技術の男の先生なのだが、2人とも結構人気のある先生だ。女の先生のほうはちいさくて可愛くて、でもとても明るくて話しやすい先生なので皆から慕われている。男の先生のほうは話が面白くて色々と新しいアイディアを出してくれる先生だ。実は前述の隣の席とくっついている席順も、最初はその先生が提案したものなのだ。でも2人とも優しくて面白いだけではなく、必要なときにはしっかりと叱ってくれるような頼れる先生だった。
仲の良さは挙げていけばまだまだキリがないけれど、ここまで書いただけでもよく分かってもらえたのではないかと思う。こんなに仲の良いクラス、まさか嫌いになれるはずがない。事あるごとに「3A最高!」とみんなで言いあっていた。
その中でも記憶に新しいとても大きなイベントがひとつ。合唱コンクールだ。合唱コンクールは3月の終業式直前にあるその年最後のイベントである。つまりそのクラスで取り組む最後のイベント。毎年合唱コンクールは毎年本当に盛り上がるものだ。私のクラスも例に漏れず真剣に練習を重ね、本番に向けて準備していた。私のクラスの指揮者は実はまったく音楽をやっていたわけでもなく、むしろ音楽は苦手な方な男子だった。みんなからうっとおしがられるほど明るくて騒がしい奴で、正直なところ「こいつに指揮ができるのか!?」と心の中で思っていた人も多かったと思うのだが、でもそんな彼がいつになく真剣に、休み時間まで使って音楽が得意だったりピアノが弾けたりする女子のところにまで行って教えてもらったりしながら真剣に指揮に取り組んでいるのを見て、みんなのやる気が少しずつ上がっていったのではないかとも思う。私も彼を見てやる気を再確認させられることが何度もあったのだ。
私は今回ソプラノのパートリーダーをやらせてもらった。けれど私もそんなに音楽ができるわけでもないし楽譜が正確に読めるわけでもない。ただ歌うことが、合唱が好きだというだけでパートリーダーをやらせてもらったのだ。だから音楽が得意な友達に助けてもらってばかりだったけれど、それができたのもみんな仲が良くて協力し合えて気兼ねなく助けを求められるクラスだったからだと思う。そしてパートリーダーだったのに迷惑かけ通しだった私についてきてくれたソプラノのみんなに心からありがとうと伝えたい。
ただ結果からいえばあまり良い結果は出せなかったのだが。ものすごく悔しい結果になってしまった。正直に言えば最優秀賞が取れるような実力はなかったというのは他のクラスの演奏をきいてわかっていた。それでもやっぱり悔しいし、終わったあとは自然と涙がこぼれてしまった。しかし多くのクラスメイトが泣きながらも笑っていた。「やっぱり悔しいけど、楽しかったよね」と。練習のときも、合唱についての話し合いのときも、自分たちが歌う直前の休憩時間に円陣を組んでみんなで気合を入れたときも、終わった後に肩を組んで慶應の応援歌「若き血」を歌ったことも。全部、本当に楽しかったのだ。結果は悔しいけれど、この楽しかった時のほうが大切だと思えたことが私は嬉しかった。
でも、楽しかったけれど、これでもう3Aが終わりだと思うとそれはもっと悲しくて、寂しくて。笑いながらも涙が止まらなかったのはその気持ちが心の底に潜んでいたからだと思う。このまま終わりたくない、そんな思いがあふれてきたのだ。合唱コンクールが終わればその年は終わりを迎える。今年もそうだが、大抵は合唱コンクールの後は終業式まで学校には行かない。授業がないのだ。だからあと卒業式の1日しか「3Aの」仲間には会えない。私の学校は中高一貫校だから卒業といってもそのまま高校に上がるだけで結局一緒にいることは変わらないのだが、それでも「3年A組のクラスメイト」ではいられない。3Aでいられるのはあともう1日しかないのだ。そう考えたら涙は後から後からあふれてとめられなかった。そんな涙を流しながら、「あぁ、本当に私はこの3Aというクラスが大好きだったんだなぁ…」と改めて思うことになった。
小学校を卒業するときも似たような感情があった。私は小学校も大好きだったから、やっぱり「卒業したくない、このまま別れるなんて嫌だ」と思っていたのだ。小学校卒業の方がばらばらになってしまうのだからその気持ちは大きかったのかもしれないけれど、同じものだと思う。卒業という日を迎えてしまえば、次にあったときは以前と同じ関係ではいられないということが寂しいのだ。
小学校も私にとっては宝物だ。学校自体も友達も先生も大好きだったし、今でも遊びに行ったりしている。もちろん苦い思い出もあるけれど、それも含めて私を成長させてくれた本当に大切な場所だ。そう考えると、この寂しさは「宝物だ」と思える仲間や日々と別れなければならない時に押し寄せてくる感情なのだろうか。
こうやって考えると、人にとって宝物とは「その人が培ってきた日々」なのではないかと思う。私が今宝物だと思える3年A組というクラスも、一緒に過ごしてきた1年間があってこそのものだ。小学校だってその中に詰まっている小学校生活を含めての宝物だし、たとえそれが小さい頃から大事にしていたぬいぐるみだとしても、それは小さい頃からの思い出や感情があるからだろう。大切な人から貰ったものが、貰った瞬間から宝物になったとしても、それはその大切な人と一緒に過ごした時間があってこそだ。そう考えたら、人にとっての宝物はその人の歩んできた日々、人生になるのだ。ならばその宝物を作るために、私たちは1日1日を大切に生きていかなければならないと思う。

   講評   kira

 きれあさん、こんにちは。思いのこめられた超大作です。クラスメイトとの別れを意識した時、想像もつかなかったような気持ちがあふれ出してきたのですね。

 男女の仲がよく、イベントで協力し成長していけるクラス。担任の先生にも恵まれて、試行錯誤を楽しめる雰囲気なのですね。

 いちばん印象的なのが合唱コンクールのように思います。とくに
「自分たちが歌う直前の休憩時間に円陣を組んでみんなで気合を入れたときも、終わった後に肩を組んで慶應の応援歌「若き血」を歌ったことも。全部、本当に楽しかったのだ。結果は悔しいけれど、この楽しかった時のほうが大切だと思えたことが私は嬉しかった。 」
このあたりに感動の頂点があるようなので、このどれかのシーンで書き出すのもよさそうです。


 「がんばろう!」
円陣をくんで声をそろえた。私たちは舞台に立った。これが3Aですと、歌声を響かせるために。・・・
 結果はくやしいものだったけれど、肩を組んで応援歌を歌いながら、楽しさがいつまでも続くという気持ちになっていた。
 ↓
 このあと、卒業まであと一日の思い
 回顧として、一年間を振り返る
 ↓
 まとめ

 こうすると、出来事が生き生きとしてくるでしょう?

 まとめの「人にとって宝物とは「その人が培ってきた日々」なのではないかと思う。」という論述はたいへん思慮深くすばらしい。前向きの意欲作です。卒業記念ですね。3Aの。

★「スポーツ馬鹿で勉強ができない奴らが揃った」→正直な印象なのでしょうね。(笑)「勉強は苦手だがスポーツ万能の」くらいにしたほうがいいかな。

★24日は舞台をがんばってくださいね。4月7日にお電話します。それまでに新しい教材も届くと思います。次回は3月3週の内容とお話しましたが、新しい教材の4月1週の内容でもいいですよ。


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