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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   遠足   だいきち

「おーい、全員乗り込んだかー。点呼。一、二、三、、、、はい全員いるんだな。はい出発。」
 持ち前のドラ声を張り上げ担任の先生が怒鳴った。2010年4月28日僕の今までの人生で最高に楽しかった遠足が始まった。その日は、昨日の雨が嘘のようにからりと晴れていた。
 今回は、野外活動センターで飯盒炊爨を行うことになっていた。野外活動センターは、クラスメートのほとんどが5年生の時の野外活動で来たことが施設である。
 その野外活動センターへと向かうバスの中で、さながらNHKの喉自慢のように皆マイクで歌を歌って、中学1年とは思えないほどの盛り上がりを見せていたのである。ついでに言っておくが、歌った奴ら皆とてつもなく音痴だったので、数名耳が痛くなった生徒もいた。その一人が僕である。
 こんな感じで野外活動センターに到着した。着いてからも大騒ぎだった。バスの中でも一番大きい怒声を響かせていたT君が、バスの階段から降りる時に滑ってしまいそのまま地面に顔面をぶつけてしまったのだ。しかも、顔面をぶつけた地面が昨日の雨でぬかるみの状態だったのでみごとな顔面泥パックになったのである。
その直後センターの職員が
「えーと。昨日雨が降っているので、少々地面がぬかるんでおりますので気を付けてください。」と言った。
それを聞いた顔面泥パックのT君は、「チェ」と舌打ちをした。
それから後は飯盒炊爨で僕らが炊いたご飯は硬すぎたくらいしか事件と言えるような特記すべきここが無かった。
しかし、遠足も終わりに近づいた頃、事件が起こった。
皆、片付けが終わり、ちょっと昼休みを先生からもらった。そこで僕たち1年1組のメンバー全員で池の上に横たわった丸太を歩こうということになった。一歩踏み外せば、池へとまっさかさまだ。そこで、先ほどのT君がまたしでかした。
皆、真剣にうまく渡りきっていくなかで、一番最後のT君の番が来た。
クラスメートの一人から「おい、T、皆、無事渡ったんだからお前も気をつけて渡れよ」と声を掛けられていた。
わざわざプレッシャーを掛けることを言わなくてもと僕は思った。
そうしてT君が渡り始めた。あとちょっとという時に風がびゅーと吹いてきた。
案の定、結果は分かると思うが、T君は全身ずぶぬれとなってしまった。
T君は苦笑いしていた。
皆は大笑いしていた。それで遠足は終わった。
僕は、家に帰って今日のことを振り返って考えてみた。
2回も失敗したT君を笑ってしまったが、それでT君はいい気持ちだったのか?
T君が苦笑いしていた時、
「おいT、大丈夫か」の一言を僕は発するべきでなかったか。
人の失敗をあざ笑うだけでの優しさの無い人間は情けないと思えてきた。
その時の僕の顔はまるで般若のようだったと思う。
人間にとって他人のちょっとした失敗は大笑いの種になるが、笑うわれる相手の気持ちを考えないといけないと思った。

   講評   tamon

状況説明がわかりやすくなって、論が整いましたね。この調子で6月もがんばろう!


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