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頭をよくするガンマ型の文章(その3)  2009年5月18日  No.493
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 ガンマ型の文章は、ストーリーのない説明的な文章です。科学や評論の文章がガンマ型の文章にあたります。学校教育の目的は、このようなガンマ型の文章を読む力を育てることにあるというのが外山滋比古氏の考え方です。

 学生時代は勉強の中で、ともくかも説明的な文章を読まされていた人が、社会人になるとストーリー的なものしか読まなくなる、ということがよくあるようです。難しい文章は、若い時期に読んで読む力をつけておかないと、年をとってから新たに読むことがなかなかできません。



 難しい文章を苦労して読むところに、考える力が育つというのが外山氏の持論です。確かに、外山氏の書く文章は、いずれもわかりやすく独創的な内容のものです。この独創性の背景にあるのが、難しい文章を読んだ蓄積なのだと思います。



 言葉の森の暗唱の課題の中で、低中学年では物語的な文章と説明的な文章がまじっています。一般に、説明的な文章は、物語的な文章の二倍ぐらい読む時間がかかります。そのように時間がかかることによって、読む力が育っているのです。子供はやさしい文章の方を喜びますが、やさしい文章のところどころに難しい文章があるというような勉強が、考える力を育てる理想的な勉強の形になります。



 アメリカの黒人と白人の能力の違いということで、外山氏は言葉の重要性を指摘しています。黒人と白人の間に見られる能力の違いは、遺伝的なものではなく、幼児期の会話の環境の違いだというのです。両親が知的な会話をするような家庭で育った子は、自然に考える力が育ちます。両親がアルファ型の会話しかしない、又は、テレビや漫画などのアルファ型の会話に囲まれて育ったというような子供は、やはり考える力が育ちません。学校や塾で勉強する以前に、はるかに大きな学力の基礎が家庭での会話の中で育っているのです。



 家庭でガンマ型の会話をする方法として、言葉の森の長文暗唱の自習と毎週の作文を利用することができます。

 自習で子供が説明文の長文を読んでいるときに、その長文の話題をもとにして、親が自分の体験や感想を話してあげるのです。このときに、「もし……だったら」「どうして……」「たぶん……」「今だったら……」「自分だったら……」などという言い方が役に立ちます。抽象的な話題について、親と子が抽象的に考えを膨らませて話してしていくことが知的な会話になります。こういう会話ができるように、長文暗唱は、子供部屋ではなく親のいるところで、また黙読ではなく声を出して読んでいくことが大切です。

 また、作文で小3以上は題名が与えられた課題になっています。事前に次の週の課題がわかるので、その課題について、親の子供のころの話をしてあげたり、その課題に合わせたイベントを工夫してあげたりするのです。

 例えば、「私の好きな遊び」という課題で、親の子供のころの遊びの話を聞かせてあげるというようなことです。そして、その遊びがどんなふうだったか実演してみせるのです。また、田舎にいる祖父母に電話で取材をすることもできます。作文を書くことを通して、家族の対話や体験の共有がしやすくなります。

 ただし、せっかく話を聞かせたり実演したりしても、子供は意外と作文の中でそれをうまく生かすことができません。わずか一、二行で済ませてしまうこともあります。全然触れないこともあります。しかし、文章の形としては出ていなくても、子供の頭の中には確実にその会話や体験が残って蓄積されているのです。

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