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12月の森リン大賞より(小5の部)  2015年2月6日  No.2305
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 森リン大賞とは、パソコンでテキスト入力された清書で、森リン点が最も高かった作品に与えられる賞です。
 感想文の清書の場合、要約の部分が多くなると森リン点が高くなるので、要約ではなく自分の言葉で書いたものが対象になります。
 今回は、12月も森リン大賞(学年別)の中から、80点だった小5のあんみつさんの作文です。
 体験実例の面白さ、調べた話や聞いた話による構成の立体感、結びの一般化された感想など、バランスのよい文章になっています。また、表現の多様性は、よく本を読んでいるからだと思います。
 表現の多様性とは、例えば、次のようなところです。
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「ケーキは、あっさりしていて甘さ控えめのものでなく、甘くて濃厚なものでないと美味しくない。」
というのが母の言い分だ。
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 この内容を伝えるだけなら、「『ケーキは甘い方がおいしい』と母は言った」というようにも書けますが、同じ内容をより多様な表現として書けるところが語彙力のあるところです。
 読書が大事だというのは、このように表現を工夫することができるからです。また、表現を工夫できる人は、それだけものの見方についても微妙な陰影がわかるようになるのです。
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楽しく、そして美味しく
あんみつ
 「わあ。美味しそう。」
しゃぶしゃぶの肉を見た私の口から、自然にこんな言葉が出てきた。それと同時に、よだれが垂れそうになったので、私は急いで口を閉じた。この前、自宅でしゃぶしゃぶをした。その時にしゃぶしゃぶ用の鍋を出したのだが、その鍋の持ち手には、ある絵が書いてあった。本当は、2羽の鶴と1輪の梅の花が描かれていたのだが、私は、その絵をまるでウルトラマンに出てくるバルタン星人のような絵だと解釈してしまったのだ。確かに、今思えば日本の鍋にバルタン星人が描かれているわけがない。それでも、おもしろい発想ができる子供の内に面白い発想を存分にして、面白い思い出を沢山作っていきたい。
 肝心のしゃぶしゃぶの味はどうだったのかというと、本当に美味しくて最高だった。だから、私の気持ちは最高潮になった。母方の祖母と祖父がお歳暮として送ってきてくれた近江牛と、父がスーパーで買った国産黒毛和牛の両方を食べた。近江牛は、まだ3歳にもなっていない若い牛だったため、まるでチョコレートのように口の中でとろけていくような柔らかさと美味しさが合った。霜降りだったのに、ちっとも脂っこく感じなかった。そんな近江牛に対し、黒毛和牛は、弾力のある赤身の美味しさがあった。赤身なのに、ちっとも固くならなかった。脂身と赤身の両方を食べたことによって、栄養もバランス良く取れたと思う。また、心身ともに満足出来た。しゃぶしゃぶは少し忙しかったけれど、楽しい夕食になった。
 私は、しゃぶしゃぶについて少し調べてみた。しゃぶしゃぶが生まれたのは昭和27年で、案外最近のことだ。牛肉専門店として営業していた「スエヒロ」というお店の先代店主が考案した。私は、しゃぶしゃぶは中国やモンゴルなどの大陸から伝わってきたものだと思っていたが、実は日本で生まれたものだったのだという新事実を知った。しゃぶしゃぶは、脂を落とすというところがヘルシー好きの日本人らしさを表している。私は、日本人として、日本人が考案したしゃぶしゃぶが世界に広まっていったことに誇りを感じる。
 私は、母に最近美味しい物を食べた時のことについて聞いてみた。母は、少し前に食べたケーキが美味しかったという。そのケーキは、他のケーキ屋のケーキよりもクリームが甘くて濃厚だったそうだ。
「ケーキは、あっさりしていて甘さ控えめのものでなく、甘くて濃厚なものでないと美味しくない。」
というのが母の言い分だ。
 私は、味覚は個人的なものであって、どんな人でも自分の舌以外は使えないと思う。確かに、美味しい、まずい、というだいたいの合意は成立するかもしれない。しかし、それはあくまでその人が感じる味、というだけの話であって、他人が全く同じように感じる保証はどこにもないのだ。そのことを表す諺に、「蓼食う虫も好き好き」が挙げられる。これは、人の好き嫌いは様々で、自分の好みと比べて一概には判断できないということだ。私は、全くその通りだと分かった。食事を楽しく始め、自然に食欲をそそられるような、楽しく、そして美味しい食事をこれからも続けていきたい。

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