ログイン ログアウト 登録
 学問の力 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
Onlineスクール言葉の森・サイト Onlineスクール言葉の森
記事 2151番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2026/2/3
学問の力 as/2151.html
森川林 2014/05/25 16:33 


 「算数は、+-×÷ができればよい」とか、「英語は会話ができればよい」とか言う人がいます。確かに、現実の必要から遊離した受験的な勉強の行き過ぎから、そういう声が出てくることは理解できます。
 しかし、学問の意義は、生活の必要のためではなく、生活の必要を超えたところにあるのです。

 ある公立中高一貫校の適性検査の中に、「ハンガーに洗濯物をバランスよく干すにはどうしたらよいか」というものがありました。
 左の何列目かにハンカチを1枚干した場合、右の何列目にハンカチを2枚干すかというような問題です。

 このようなことを日常生活で考える人はまずいません。試しにやってみて、バランスのとれたところを見つけるというのが普通のやり方です。
 では、なぜこのように、やってみればすぐわかることを、机上の紙の計算でやるのでしょうか。
 実は、これが学問なのです。

 もし、この問題を考えた子が、将来、宇宙ロケットのプロジェクトに参加し、月に遠隔操作でバランスのとれた装置を作るという課題が与えられたとします。その装置を月にまで持っていって、試しにやってみることはできません。
 つまり、生活の必要を超えた、より高い創造的な目標を達成しようとするときに、学問は必要になるのです。

 明治維新のときに、日本が急速に欧米の文化を取り入れることができたのは、この学問の力があったからです。
 江戸時代の寺子屋教育は、読み書き算盤という生活の必要の範囲にとどまっていたような印象を受けますが、そうではありません。寺子屋で基礎的な勉強を済ませたあと、より高度な学問に取り組んでいった人が数多くいたのです。

 例えば、伊能忠敬(いのうただたか)は、49歳で家業を長男に譲ったあと、かねてから関心のあった天文学を学び直しました。そして、地球の大きさを正確に測るために、日本列島を測量することを思い立ちました。
 当時の日本には、既にそういう、生活の必要から離れた学問を専門に教える先生がいたのです。

 翻って現代の教育を考えてみると、小学校低学年のころの生活の必要に結びついた勉強は、やがて高学年になり受験のための勉強へと発展していきます。しかし、そのあとの学問のための勉強につながる部分が不十分なように思えるのです。
 その証拠に、生涯で最もよく勉強したのが、高3の受験勉強のときだったという人は多いと思います。本当は、大学でこそ、生涯で最もよく勉強しなければならないのです。

 学問の素養は、18歳以降の古典の読書によって培われるものだと思います。
 言葉の森では、将来、そういう学問力をカバーするような勉強を進めていきたいと思っています。



コメント欄

コメントフォーム
学問の力 森川林 20140525 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
なにぬね (スパム投稿を防ぐために五十音表の「なにぬね」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 
コメント1~10件
【合格速報】東 ふつ
合格おめでとうございます。 毎週真剣に取り組み、どんどん上 1/7
記事 5403番
国語力、読解力 森川林
読検の解答は個別れんらくでお送りください。 12/29
記事 4331番
国語力、読解力 すみひな
本日の読解検定を受け忘れてしまいました。回答をどちらに送れば 12/27
記事 4331番
森リン大賞が示 森川林
作文力を上達させるコツは、褒めることでも直すことでもなく、書 12/13
記事 5398番
作文コンクール 森川林
 子供たちの教育で大事なのは、知識の詰め込みではなく、読書と 12/10
記事 5395番
読書と作文が子 森川林
 小学生時代は、勉強よりも読書。  中学生以上は、勉強と同 12/9
記事 5394番
子どもの文章力 森川林
今の受験は知識の詰め込みの勉強になっています。 考える問題 12/8
記事 5392番
作検研究。森リ 森川林
作文は、褒められても注意されても、そこに客観的な基準がなけれ 12/7
記事 5391番
「作文検定」「 森川林
 今は、AI社会の前夜。  昔は新聞やテレビが中心だった。 12/7
記事 5390番
AI時代に子ど 森川林
AI時代には、先生の役割は「教えること」ではなくなります。 12/6
記事 5389番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
Glitchの 森川林
https://hnavi.co.jp/knowledge/ 1/22
森川林日記
2026年1月 森川林
●作文について  忙しい中学生高校生が作文を能 1/22
森の掲示板
読解検定のやり 森川林
====読解検定のやり方 1.オンラインクラス一覧表の「全 1/16
国語読解掲示板
小4の12月の 森川林
問3 ○B すずめは、見慣れみな ないものが立っている 1/9
国語読解掲示板
2025年12 森川林
 12月8日から、中根が休講してしまい、いろいろな連絡が遅れ 12/22
森の掲示板
3I/atla 森川林
日本にはかつて穏やかに何万年も続いた縄文文明があった。そのよ 12/12
森川林日記
Re: 11月 森川林
 これは、解き方の問題ではなく、読む力の問題です。  読解 12/5
国語読解掲示板
Re: ICレ 森川林
 ChatGPT、あまり文章うまくないなあ(笑)。  音声 12/5
森川林日記
ICレコーダと 森川林
AI時代に子どもが伸びる――全科学力クラスという新し 12/5
森川林日記
noteのペー 森川林
https://note.com/shine007 12/4
森川林日記

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン