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直すよりも褒める勉強法 as/169.html
森川林 2007/07/19 10:36 
修 削
 低学年の子が書いた作文を見ると、いろいろ直せそうなところがたくさんあります。そこで、大人(親や先生)が直してあげると、すぐにうまくなります。しかし、直して上手にする方法は、一見成果が上がるように見えますが、いくつかの問題があります。
 第一は、直して上手にできるようなところは、年齢が上がれば自然に直るようになるものがほとんどだということです。例えば、「わ」と「は」の区別などは、小学校中学年になればどの子も自然に正しく書けるようになります。それは、文章を読む量が増えるにつれて、自然に身につくものだからです。もちろん、低学年のうちに正しい書き方を教えること自体には何も問題はありません。問題なのは、それを事々しく何十分もかけて教えることです。
 第二は、直す指導を受けると、子供も最初は素直に聞いていますが、次第に憂鬱になってきます。せっかく自分が一生懸命書いた作文の中身のいいところにはほとんど触れずに、間違えたところだけを直されていては楽しいはずはありません。子供は作文を通して、自分の心を表現しています。子供が見てほしいのは、作文の中身の方であって、表現の仕方の方ではありません。
 第三は、直す指導をしていると、教える側の怒る回数が増えるということです。直されるようなところは、その子が間違って身につけたところですから、一度の注意ですぐに直るわけではありません。しかし、大人はつい、理屈で説明すれば、次からはすぐにできるはずだと思ってしまいがちです。そのために、同じことを二度も三度も注意しているうちに、つい大人のいらいらした感情が出てしまうのです。
 第四は、直す指導を続けていると、すぐに教えることがなくなるので、やがて注意しなくてもいい細かいことまで注意するようになるということです。しかし、直す指導で始めた場合、ただ書かせてほめるだけという指導にはなかなか切り換えられません。小学校高学年から作文指導が少なくなる理由の一つがここにあります。
 では、どういう教え方がいいのでしょうか。
 それは、いいところを褒めることです。そして、その一方で、毎日の自習によって読む力をつけることです。
 毎朝、歯を磨いたり顔を洗ったりするのと同じように、決まりきった自習を続けているうちに、気がついたらいつの間にか作文が上手になっていた、というのが理想的な教え方です。
 自分の子供のいいところを褒めるというのは、実は難しいことです。親はつい、褒めるよりも直すところや注意するところを見つけてしまいがちです。特に、女性は、男性に比べて欠点に敏感なので、子供の欠点も目につきやすいようです。その点、父親は欠点には鈍感なので、子供のいいところを褒めやすいという特徴があります。
 子供の欠点が目についてもそれは気にせずに、いつも明るくいいところを褒めるというのは、ある意味で、親の勉強と言ってもいいかもしれません。



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