ログイン ログアウト 登録
 国語の勉強と算数の勉強の意義 作文検定 | 言葉の森 | 作文教室【公式】
 
作文検定 | 言葉の森 | 作文教室・サイト 作文検定 | 言葉の森 | 作文教室
記事 1080番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2026/9/12
国語の勉強と算数の勉強の意義 as/1080.html
森川林 2010/11/19 10:54 



 国語と算数は、小学校の時代から最も長い時間をかけて勉強をする教科になっています。これは、現代だけの特徴ではなく、江戸時代のころも、読み書きそろばんというものが学習の基本でした。

 なぜ、国語と算数がそのように重視され教育の中心になっているかというと、ひとつにはその習得に時間がかかるからです。

 それも、難しいから時間がかかるのではなく、学ぶことが多く、しかも平面的に多いのではなく積み重ねる体系として学ぶことが多いために時間がかかるという特徴があるからです。

 もうひとつには、人間が社会生活を送る際に、国語と算数が役に立つ重要なツールとなっているからです。

 つまり、人間が人間らしい生活を送るのに必要であり、しかも学ぶ努力が必要であり、さらにその学習が個人にとっても社会にとっても役に立つというのが、国語と算数の特徴なのです。

 しかし、今の教育は、このような人間と社会の本質から論じられているわけではありません。

 国語と算数は、既に教科として成立していることが前提になっていて、受験で学力の差を測るのに適しているために主要教科となっている面もあります。したがって、勉強の中身も、受験の問題を解くために学ばれている面が強いのです。

 その結果、国語と算数は、勉強の方向が本来のあり方からずれ、無意味なところで難しい問題を解くことが目的化され、これらの教科の勉強のもともとの意味が忘れられている面があります。

 では、国語と算数の本来の勉強の方向とはどういうものなのでしょうか。



 国語と算数の勉強という各論を論じる前に、まず人間と教育一般について考えてみる必要があります。

 動物は、生まれたときから完成された成長過程を約束されています。ただし、高等な動物になれば親の模倣という教育は必要で、その模倣が不適切であれば成長も偏ったものになります。

 人間も、動物的な生活に限って言えば、親の模倣と自然な成長で間に合うはずですが、人間は動物のレベルを超えた社会生活を営む必要があるために、意識的な教育が必要になります。つまり、教育は社会生活を営む人間が、その人間自身とその社会にとって役に立つことを学ぶためにあるといえます。

 その教育の分野は、大きく四つに分けて考えることができます。それは、認識における内向きの方向と、外向きの方向、身体における外向きの方向と、内向きの方向の四つです。

 第一は、哲学です。これは、認識の創造ということで、世界の物事を新しい見方で構想する力を育てる分野です。

 第二は、科学です。これは、世界の認識ということで、身の回りにある多様な現象を理解する力を育てる分野です。

 第三は、工学です。これは、世界の加工ということで、現実を変革し加工する技術を身につける分野です。

 第四は、心身です。これは、人間の幸福ということで、身体と精神の両面で幸福に生きる技術を身につける分野です。

 これらの教育の四つの分野に、現在の教科をあてはめることができます。

 哲学の分野には、国語、特に作文が入ります。また、算数の原理的な面もここに含まれます。

 科学の分野には、現在の理科・社会など、体系的な知識を身につける教科がすべて含まれます。

 工学の分野には、技術・家庭と、美術・音楽など芸術の技能的な面の学習が含まれます。また、国語の技能的な面、外国語などの語学、そして、算数の現実世界に応用する面が含まれます。

 心身の分野には、保健・体育・道徳と、芸術における精神的な面の学習が含まれます。

 未来の教育の四つの分野は、現代の教科の区分とも対応していますが、それらの教科の位置付けが異なっているので、当然、教科の性格も異なってきます。

 哲学の分野に位置づけられる国語の場合は、ある課題について自分の創造的な考えを作り出し表現する力を育てることが学習の中心になります。

 工学の分野に位置づけられる算数の場合は、ある課題について算数の知識や技術を現実の世界に応用することが学習の中心になります。



 これまでの教育は、社会の有用な歯車となるためのものでした。そして、個人がその社会的役割を果たすことが、その個人の生活の利益とも結びついていました。

 これまでの勉強は、社会からの要請が先にある勉強でした。しかし、これからの勉強は、個人が自己の向上のために行う勉強になります。そして、個人が自己の能力を開花させることが、社会に対する貢献にもつながるというものになっていきます。

 そのような個人の向上心に基づいた教育においては、勉強は強制で行われるものではなく、また競争で意欲づけされるものでもなく、さらに受験の勝ち負けのために行われるものでもなく、自分自身の向上と社会への貢献のために行われるものになるでしょう。

 すると、それら勉強をするための動機は、勝つ喜びではなく、学ぶ喜びに立脚したものになります。

 これを四つの教育の分野に当てはめてみると、哲学の分野では創る喜び(創造)、科学の分野では知る喜び(理解)、工学の分野では作る喜び(加工)、心身の分野では感じる喜び(感受)が、それぞれ学ぶ動機となった勉強になります。

 こう考えると、哲学としての国語は、材料となる様々な知識や経験を組み合わせて、言語による新しい作品を作り発表するということが勉強の主な方向になるでしょう。

 それは、従来の日本の国語のように、文学作品を必要以上に詳しく鑑賞する方向の勉強とは違ったものになります。

 一方、工学としての算数は、算数の知識と技術を生かし、それらを組み合わせて現実の課題を解くことが喜びとなるような勉強に進むと思います。それは、物理学や統計学やプログラミングのような方向です。

 それは、従来の算数のように、算数の世界の中で難問を解くことが喜びとなるような方向とは違ったものになると思います。



 これからの勉強は、勉強することが喜びとなるようなものになる必要があります。試験のためにしぶしぶやる勉強で、その苦痛の代償として褒美があったり、競争という刺激があったりするような勉強は、過去の勉強です。

 それは、国語に関して言えば、書くことが楽しいという勉強であり、算数に関して言えば、解くことが楽しいという勉強になると思います。



コメント欄

コメントフォーム
国語の勉強と算数の勉強の意義 森川林 20101119 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
のはひふ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「のはひふ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 
コメント1~10件
作文自動採点ソ 森川林
なっつさん、投稿ありがとう。 でも、ここでは森リンの採点は 8/8
記事 89番
森林プロジェク 森川林
かじかわさんへ、投稿ありがとう。 しかし、もとの記事と関係 8/8
記事 1496番
森林プロジェク かじかわ
改めて考えよう。所得の超過累進課税制による、資本主義と社会主 8/5
記事 1496番
作文自動採点ソ なっつ
母の過去から学んだ      令和の闇に負けない社会   8/3
記事 89番
作文検定で作文 森川林
評価サンプルはこちら。 6/25
記事 5538番
なぜ公立中高一 森川林
 志望校の過去問に特化した受験対策を進めるためには、まず「春 4/28
記事 5498番
作文検定のプレ あお
お返事ありがとうございます。暗唱検定が早くできてほしいです。 4/9
記事 5493番
作文検定のプレ 森川林
 日本語教育で、簡単なのは会話で、次が読書で、最後が作文です 4/8
記事 5493番
作文検定のプレ あお
日本語作文検定は、日本語を学ぶ外国人のための作文教育にも対応 4/8
記事 5493番
【合格速報】東 ふつ
合格おめでとうございます。 毎週真剣に取り組み、どんどん上 1/7
記事 5403番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
【重要】ZOO 森川林
 ZOOMの有料版の契約をしていますが、アメリカからの請求な 9/9
森の便り
言葉の森新聞2 言葉の森事務局
言葉の森新聞2026年9月2週号 通算第1914号 文責  9/9
森の便り
森の便り9月7 森川林
●作文の進級テストの締切は9月7日(月)  作文の今学 9/7
森の便り
教育改革 森川林
自分の目的は、日本を守り発展させるために、 現在の詰め込み 9/7
森川林日記
中学1・2・3 森川林
 中学1・2・3年生の確認テストは、これまで標準新演習が中心 9/3
森の便り
図書検定、9月 森川林
 図書検定は、9月から問題の出し方を変えるため、一時工事中に 9/2
森の便り
「口頭検定、改 森川林
「口頭検定、改めスピーチ検定に」 https://www. 9/2
森の便り
作文の森リン点 森川林
言葉の森のホームページの記事を更新しました。 「森リン 9/2
森の便り
暗唱検定、口頭 森川林
 暗唱検定とスピーチ検定で、iPhoneから音声入力するとエ 9/1
森の便り
言葉の森新聞2 言葉の森事務局
言葉の森新聞2026年9月1週号 通算第1913号 文責  9/1
森の便り

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン