ログイン ログアウト 登録
 インターネットと教育(その1) 作文検定 | 言葉の森 | 作文教室【公式】
 
作文検定 | 言葉の森 | 作文教室・サイト 作文検定 | 言葉の森 | 作文教室
記事 1243番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2026/8/3
インターネットと教育(その1) as/1243.html
森川林 2011/04/22 18:32 



 インターネットと教育について考える際に大事なことは、今のインターネットと教育を考えることではありません。インターネットと教育が今後どういう方向に進むのかという未来の視点から考える必要があります。そして、ドングリの本質が将来大きく成長するシイやナラの樹木であるように、インターネットと教育の今ある本質の中に、その未来の姿が既に現れています。

■教育の本質

 教育とは、人間的なものです。

 犬や猫などの動物は、教育を必要としません。それは自然に任せているだけで完全な成長を達成します。確かに、親犬は子犬に生きていくのに必要なルールを教えるかもしれません。しかし、その親の持っている知恵自体がもともと自然に成長してきたものです。

 一方、機械は、動物とは別の意味で教育を必要としません。それは、最初から誕生とともに完成されていて、時間の変化とともに減価償却していくだけのものだからです。

 ただ人間だけが教育を必要とするのは、なぜでしょうか。それは、人間がもともと不完全性な存在だからです。自然のままに任せていてはその不完全を克服することができないので、人間は自身の生存のために創造を行います。

 例えば、人間は動物と違い、暖かい毛皮も硬いうろこも持っていないので、寒さや怪我から身を守るために衣服を作り出さなければなりませんでした。しかも、衣服を作るためのノウハウは、学ぶことによってしか獲得できませんでした。この本質的な不完全性こそが、人間の持つ優れた特質だったのです。

 ところが、これまでの社会では、不完全を克服するための完全の理想は、個人の側にではなく社会の側にありました。ちょうどマスゲームの美しい演技が目標となる完全の姿で、個人はその美しい完全な演技を作るための歯車としての完全を目指すことが求められていました。

 優れた歯車になることが個人の目標とすべき完全さだという考えからは、優れていない歯車は社会に不要だという考えが生まれてきます。これが、今日の「地球には人間が多すぎる(優れた人だけが少数いればいい)」という考え方につながっています。

 しかし、真実はそうではありません。優れていない歯車という不完全さもまた、人間にとっては創造の土台となっているのです。

 あるピアニストは事故で片手を失ったあと、その片手でしか弾けないという不完全さを、片手で弾ける曲の創造という方向に向けました。手が1本しかないことがハンディだと思われるのは、ほとんどの人が手を2本持っているからです。もし、手が4本の人が多くいれば、今度は2本しかないことがハンディになります。しかし、だれもがそう思わないのは、手が4本ある人の作曲した曲がないからです。

 片手で弾ける曲は、両手で弾ける曲の2分の1の価値しか持たないのではありません。それは、墨1色の水墨画が多くの色を塗り重ねた油絵の何分の1かの価値しか持たないではないのと同様です。片手で弾ける曲があれば、両手の人は、そこから、一方の手でピアノを弾き、もう一方の手でドラムを叩くというような新しいジャンルの演奏を創造することができるかもしれません。人間においては、不完全はすべて創造のきっかけに転化させることのできるものなのです。

 人間の持つ不完全性をもとにして完全に向かうための創造が教育の本質であるとすれば、未来の教育とは、その完全の理想を、社会の側から個人の側に取り戻すことだと言えるでしょう。社会の側が用意した完全の枠に合わせる教育ではなく、個人個人の不完全を生かす創造の教育が未来の教育の姿です。

 このような創造の教育に必要なものは、画一性や強制性ではなく、多様性や自主性です。その多様性と自主性の教育において欠かすことのできないものが対話です。(つづく)

※次は、「インターネットの本質」です。



コメント欄

コメントフォーム
インターネットと教育(その1) 森川林 20110422 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
へほまみ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「へほまみ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 
コメント1~10件
コメントは24時間以内に表示
作文検定で作文 森川林
評価サンプルはこちら。 6/25
記事 5538番
なぜ公立中高一 森川林
 志望校の過去問に特化した受験対策を進めるためには、まず「春 4/28
記事 5498番
作文検定のプレ あお
お返事ありがとうございます。暗唱検定が早くできてほしいです。 4/9
記事 5493番
作文検定のプレ 森川林
 日本語教育で、簡単なのは会話で、次が読書で、最後が作文です 4/8
記事 5493番
作文検定のプレ あお
日本語作文検定は、日本語を学ぶ外国人のための作文教育にも対応 4/8
記事 5493番
【合格速報】東 ふつ
合格おめでとうございます。 毎週真剣に取り組み、どんどん上 1/7
記事 5403番
国語力、読解力 森川林
読検の解答は個別れんらくでお送りください。 12/29
記事 4331番
国語力、読解力 すみひな
本日の読解検定を受け忘れてしまいました。回答をどちらに送れば 12/27
記事 4331番
森リン大賞が示 森川林
作文力を上達させるコツは、褒めることでも直すことでもなく、書 12/13
記事 5398番
作文コンクール 森川林
 子供たちの教育で大事なのは、知識の詰め込みではなく、読書と 12/10
記事 5395番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
英語の教科書も 森川林
 最近の英語の教科書も、誰におもねっているのか知らないが、会 8/3
森川林日記
アフターゾロリ 森川林
 アフターゾロリ云々という人は、ゾロリをちゃんと読んでいない 8/3
森川林日記
井の中の理三 森川林
東大理三は日本で毎年100人、金メダルは世界で4年に1人。 8/3
森川林日記
推薦図書掲示板 森川林
 推薦図書検定のプラットフォームができた。 https:/ 8/2
森川林日記
2時間以上本を 森川林
 東洋経済オンラインで、1日の読書時間が10~30分までは成 7/25
森川林日記
2026年7月 森川林
◆◆振替連絡、欠席連絡のエラーについて  7月 7/22
森の掲示板
歴史は、ひとり 森川林
 歴史は、ひとりの人間の確信によって動く。  なぜ、そのひ 7/20
森川林日記
ヨンデミーとか 森川林
 ヨンデミーとか、グリムスクールとかは、小学校低中学年か、読 7/19
森川林日記
APIはアピ、 森川林
 APIをエーピーアイというのは言いにくいから、アピと言って 7/19
森川林日記
iPhoneと 森川林
 iPhoneとかMACのSafariとかはこういう自分勝手 7/19
森川林日記

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン