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子供がいじめにあったらどうするか――親の立場で as/2784.html
森川林 2017/01/07 04:22 
修 削


 今回の話は、一般論として参考になる話ではありません。
 そもそも、いじめのような理不尽なことに対しては、模範的な対応というものはありません。個人の生き方として対応していくことが基本です。
 ですから、自分が親だったらどうするか、どうしたかということを中心にした話になります。

 ところで、私がいつも疑問に思うのは、いじめにあった子供の親が、ただ我慢をするだけだったり、いじめる相手の善意に期待したり、時間が解決してくれると思ったり、誰かが助けてくれると思ったりすることが多いということです。
 確かに、昔は、子供どうしで助け合ったり、上級生が助けてくれたりということもありました。そして、いずれそういう助け合いのできる社会は再び来るでしょうが、今は誰かの助けを期待できるような時代ではないと考えておくことが基本です。

 私が大学生のときに読んで感銘を受けた本に、「葉隠」があります。この本の内容は、引退した元武士の老人への聞き書きですから、人生に対する奥深い洞察のある言葉が随所に見られます。
 この本の中に、「我が身にかかわる重大事は、しゃにむにやってのけなければ解決しない」というような言葉がありました。
 自分が当事者になったことは、うまいやり方を工夫しようなどというようなことを考えてはならないということです。そういう一歩遅れる気持ちが、最も武士道に合わないものだというのです。

 いじめに対しても同様です。自分が少しでもいじめられたら、そのときの対応は、戦うことです。
 この戦うことの中には、話し合うことも含みます。つまり、口で戦うということです。
 これは、その子が将来大人になったときも同じです。社会に出ても理不尽なことに遭遇することは多いでしょう。そのときの原則は戦うことです。
 これは、個人と個人の問題だけでなく、国と国との問題でも同じです。

 勝てるかどうかとか、うまく行くかどうかという配慮は、二の次、三の次で、いじめられたら何しろ立ち向かうことが原則なのです。

 こういう人間の生き方の根本に関わるようなことを、子供が自分で考え出すことはできません。
 学校の先生が教えてくれるわけではありません。
 本に書いてあるわけでもありません。
 ただ親だけが教えられることなのです。

 そして、もし、戦うことが無理だと判断した場合は、いつかの捲土重来を期して逃げることです。
 いじめのような卑劣なことをする人間は、数を頼んだり、武器を持ったりすることもあるからです。
 逃げるというのは、学校の場合は、学校に行かないこと、転校することなどです。
 こういう判断も、もちろん、子供が自分の力ですることはできません。親が即座に判断して実行していかなければなりません。

 私の子供も、小学校低学年のとき、体の大きい子や上級生に、いじめられたりいじめられそうになったりしたことがありました。
 それを知ったとき、私は即座にその子と戦わせたり、その子の自宅に直接話に行かせたりしました。
 そして、そのあと、そのいじめた子たちとは、普通の友達のような関係になったのです。

 しかし、これがもしそのようにうまい結果にならなかったとしてもいいのです。
 いざというときに戦うということは、人間の生き方として当然のことだからです。

 普通の日本人は、争い事は好きではありません。自分の周囲を見ても、ほとんどが心優しい人です。
 しかし、世の中には、そうでない人もいます。
 だから、不正なことがあり、自分がその当事者であった場合は、即座に戦うことです。
 そして、もし相手が悪いことをしなくなれば、そのときは許してやればいいのです。

 以上が、いじめに対する個人的な対応の仕方です。
 いじめに対する社会的な対応は、もっと根本的に考える必要ががあります。
 それは、弱い者いじめをするような人間を育てないということです。そして、それは、教育の力で十分に可能なことだと思います。




コメント欄

namura 2017年1月7日 4時51分 10 ▽
ドキッとするタイトルでしたが、どんなことに対しても、親身に対応できるのは、親ですね。

nane 2017年1月7日 5時24分 1 ▽
 人間の生き方の基本は、強さと優しさを同居させることです。
 争いはなければないにこしたことはありませんが、巻き込まれたら元気に戦うだけです。
 元気にって(笑)。


森川林 2017年1月7日 5時24分 1 ▽
 あまり楽しそうな話ではありませんが、世の中には困っている人もいると思うので書きました。
 しかし、いじめのような問題は、基本的には社会全体で対応するものです。
 その参考になるのは、会津藩の「什(じゅう)の掟」のように、「弱い者をいぢめてはなりませぬ」という基本を子供のころから教えておくことです。


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