ログイン ログアウト 登録
 クリティカル・シンキングよりも、クリエイティブ・シンキング。ディベートよりも共感の対話を Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
Onlineスクール言葉の森・サイト Onlineスクール言葉の森
記事 5089番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/12/18
クリティカル・シンキングよりも、クリエイティブ・シンキング。ディベートよりも共感の対話を as/5089.html
森川林 2024/06/04 11:24 

モジズリのつぼみ



 少し前に、ディベートをいう勉強法がはやったことがあります。
 しかし、これは普及しませんでした。

 当然です。
 日本には、論争するという文化がないのです。

 必要に応じて論争することはできますが、その論争で勝っても負けても、面白くも何ともありません。
 あとに、虚しさが残るだけです。
 それは、論争が何かを生み出すわけではないからです。


 同じような言葉に、クリティカル・シンキングがあります。

 欧米には、弁証法的な思考法があり、それは、ある意見に対する反対意見があると、それらを止揚して新しい意見が生まれるという考え方です。

 言葉の森の中学生の作文の課題も、複数の意見→総合化の主題ですから、こういう弁証法的な考え方の練習です。

 これは、頭の体操としてはいいのですが、日本人は普通、批判を通して総合化するという考え方をしません。


 では、どうするかというと、まず共感するのです。
 相手の意見に、とりあえず共感したあと、自分だったら更にどうするか考えるというのが、日本的な思考法です。

 このときに必要なのは、創造的に考えるということです。
 批判を通して創造的に考えるのではなく、共感を通して創造的に考えるということです。


 言葉の森のオンラインクラスの授業の中では、読書紹介や、発表会や、一人一言の発言という時間があります。

 不思議なのは、それらの質問感想の時間のときに、相手の言っていることを批判するような意見を言う子がひとりもいないことです。
 文字どおり、ひとりもいません。

 別に、先生や親がそうしろと言ったわけでもないのに、どの子も、相手のいいところを認めるような発言をします。
 これが日本文化です。


 では、そこからどういう創造が生まれるかというと、自分とは異なる他の意見に共感した子は、自分がその意見を受け入れたあと、自分の中で新しい創造を始めるということです。
 批判を通しての創造ではなく、共感を通して自分の中で創造するです。


 だから、学校教育でのやり方としては、相手の意見を聞いたあとに、批判するところを探すのではなく、まず共感するところを探すことです。
 その共感の上に立って、自分だったら更にどうするかと考えるのが創造的な考え方です。

 言葉の森の意見文には、反対理解、複数の実例、複数の理由、複数の方法、複数の原因、複数の対策などのいくつかの項目があります。

 ある人の意見に対して、共感しつつ、別の反対理解、別の実例、別の理由、別の方法、別の原因、別の対策などを考えることはいくらでもできます。

 それは、単に相手の意見を批判することよりもずっと頭を使う創造的な考え方になるのです。


 さて、全然関係ない歌ですが、みんな、いい顔をしてい歌っているなあと思ったので紹介します。




コメント欄

森川林 2024年6月4日 13時12分  
西洋には、批判を通して新しい考えが生まれるという弁証的な発想があります。
日本には、そういう文化はありません。

日本では、共感を通して新しい考えが生まれます。

なぜ西洋で弁証法が広がったかというと、語彙が貧困だったからです。
貧困な語彙のもとでは、新しい発想は、論争でしか生まれません。

だから、日本は、今更ディベートとかクリティカル・シンキングとかいうことをやる必要はありません。
これまでの共感の対話で十分なのです。

コメントフォーム
クリティカル・シンキングよりも、クリエイティブ・シンキング。ディベートよりも共感の対話を 森川林 20240604 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
みむめも (スパム投稿を防ぐために五十音表の「みむめも」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 
コメント1~10件
森リン大賞が示 森川林
作文力を上達させるコツは、褒めることでも直すことでもなく、書 12/13
記事 5398番
作文コンクール 森川林
 子供たちの教育で大事なのは、知識の詰め込みではなく、読書と 12/10
記事 5395番
読書と作文が子 森川林
 小学生時代は、勉強よりも読書。  中学生以上は、勉強と同 12/9
記事 5394番
子どもの文章力 森川林
今の受験は知識の詰め込みの勉強になっています。 考える問題 12/8
記事 5392番
作検研究。森リ 森川林
作文は、褒められても注意されても、そこに客観的な基準がなけれ 12/7
記事 5391番
「作文検定」「 森川林
 今は、AI社会の前夜。  昔は新聞やテレビが中心だった。 12/7
記事 5390番
AI時代に子ど 森川林
AI時代には、先生の役割は「教えること」ではなくなります。 12/6
記事 5389番
【合格速報】順 森川林
Rさん、合格おめでとう!! よくがんばりましたね。 受験 12/4
記事 5387番
森リン大賞9月 森川林
 従来の作文評価は、小学校低学年では「正しい表記ができている 11/9
記事 5382番
作文の学習で大 森川林
 「何でも自由に書いてごらん。いつでも褒めてあげるから」とい 11/7
記事 5381番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
3I/atla 森川林
日本にはかつて穏やかに何万年も続いた縄文文明があった。そのよ 12/12
森川林日記
Re: 11月 森川林
 これは、解き方の問題ではなく、読む力の問題です。  読解 12/5
国語読解掲示板
Re: ICレ 森川林
 ChatGPT、あまり文章うまくないなあ(笑)。  音声 12/5
森川林日記
ICレコーダと 森川林
AI時代に子どもが伸びる――全科学力クラスという新し 12/5
森川林日記
noteのペー 森川林
https://note.com/shine007 12/4
森川林日記
11月分 4  あういと
問題7と問題8が分かりません。 キーワードはわかるのですが 12/3
国語読解掲示板
Re: 森川林
 字がきれいだったのは、そのあとの日記の内容を見ると、弟が葛 11/30
国語読解掲示板
Re: 11月 森川林
 お返事遅れて失礼しました。  易しい国語問題は、「同じ言 11/30
国語読解掲示板
ともとも
小5の11月の読解検定のBの問題が誕生日だから字が綺麗だと思 11/28
国語読解掲示板
2025年11 森川林
△ムラサキシキブ ●作文検定スタート  学校 11/26
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン